
今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!
【連載第84回目】
南会津の酒は、人を虜にして止まない。
夏は生命力溢れる深緑に、冬は息をのむ豪雪に包まれるこの地が育む酒には、さりげなくも心に響く、奥深いコクと余韻が宿る。それは、飲み手の意識を奪い去ることなく、ただひたすらに、至福の時を刻み続けさせる。飲み飽きず、延々と刻を重ねさせる酒。
会津酒造の伝統的な美質を継ぎつつも、新たな息吹と閃きを感じさせるのが「山の井」ブランドである。南会津の澄み切った夜空に瞬く無数の星々。その煌めきを一滴に凝縮したかのような雫は、飲み手の感性を揺さぶり、魂の奥底まで染み渡る。
その魅力を持つ蔵の中で、一際新たなエッセンスやインスピレーションを感じさせてくれるのが「山の井」ブランドでもある。
今回、会津酒造から特別に皆様にお届けするのは、fukunomoの為に誂えたオリジナルブレンド酒。それぞれ異なる個性を放つ四種の「山の井」を特別に配合した、まさにここでしか楽しめないオーダーメイドの限定酒だ。
「真夏の夜の夢」とでも喩えるべき稀有な機会を、ぜひ楽しんで頂きたい。
■今月の美酒
・山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition- <福島県南会津町/会津酒造株式会社>

今回お届けするのは、なんと初のfukunomoオリジナルブレンド酒。「山の井黒」を基幹にした独自配合になります。
以下、構成する4種の原酒を紹介します。
1. 山の井50A:強い酸味とキレがあり、ファーストノットにインパクトを与えてくれる味わい。酒全体に鮮やかな輪郭を描き出してくれる
2. 山の井50B:非常に穏やかで淡い口当たり、やや強めの酸味。余韻の長さが特徴。あと引く旨味が長時間留まり続ける。
3. 山の井60:芳醇な旨味、甘味が際立ち。中程度のバランス良い酸味。全体の調和を支えてくれる味わい。
4. 純米吟醸・会津:透明感、香味が非常に強い。最も粗が少なく、まろやかで品格が漂う。全体の味わいを優しくトリミングし、まとめてくれる
fukunomoオリジナルブレンドは、上記それぞれを2:1:2:1の比率でブレンドしたもの。山の井50A由来の強いフレッシュな酸味とキレを一口目に感じさせつつも、純米吟醸会津のまろやかなトリミングが穏やかな口当たりと香味とを演出。続き、山の井60の旨味と甘味がじんわりと馴染み、最後に山の井50Bのあと引く余韻が続く。
口に含んだアプローチの瞬発力と余韻のあと引く心地よい香り。まさに会津酒造さんの飽くなき挑戦と技術の結晶と言えるでしょう。
さて、それでは今回も「勝手にペアリング」をしてみましょう!
■勝手にペアリングを考えてみた
この「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」は、夏の光が降り注ぐ季節に、その真価を発揮します。夏の生命力あふれる瑞々しい食感と、鮮烈な香味を纏う肴とペアリングをすることで、この酒の持つポテンシャルは更に広がる予感がします。
とりあえず、手元にあったおつまみを先にいくつか試してみました。
[クリームチーズ入りちくわ]
まずは他県産(愛媛)ですが、福島ではなかなか獲れないエソ(魚)を使ったちくわにクリームチーズが入ったものを合わせてみました。
このクリームチーズ、プレーンというよりは少し独特の燻製にも似た風味が感じられるのですが、これが中々に旨い。チーズの香りとコク深い旨味が、「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」のフレッシュさに触れると益々ほとばしる感覚に。エソのちくわも、魚の淡白な旨味がじんわりと溶け込んできて実に佳きです。
福島のものに合わせる場合、以前いただいた夕月さんあたりなどで、チーズが入った美味しい竹輪や蒲鉾を合わせてみると良いかもしれない。
[スモッチ]
燻製っぽい香りがとても良かったので、福島市、森山のライトスモークたまご「スモッチ」を合わせてみました。
瑞々しさが残る燻製卵は、夏に食べてもモッサリしない。ジューシーな食感と共にかすかな燻製香が心地良い。黄身のトロっとした感じも酒に溶け込んできて重なり、これは旨い組み合わせ。
[黒胡椒(ブラックペッパー)]
山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-の鮮烈さと香りには、爽やかな香味野菜や香辛料系が合いそうな予感がして、粗挽きのブラックペッパーと合わせてみた。なるほど、上手く香味と刺激とがリンクして余韻を非常に心地良くしてくれた。
[能登牡蠣山椒]
手元にあった、石川県の能登牡蠣を山椒風味にしたレトルトパウチ食品。
案の定、山椒の香味はこの酒と非常に合いやすい。爽やかさを更に引き出してくれるので、夏酒として使う良さが更に引き立てられる。牡蠣も勿論美味しい。
なお個人的ながら、災害からの復興を共に歩んできた能登にはとても思い入れが強いので、能登の牡蠣と福島の酒をコラボで楽しめたのは、それだけで非常に嬉しかった。#能登ウマイヨ #福島ウマイヨ
[コンソメ]
手元にコンソメ味のポテトチップスがあったのでひとかじり。
この酒は香味を引き立ててくれる特性があるので、こうしたコンソメ風味も大変美味しくしてくれる。この感じだと、やはり香味野菜などを合わせても良し。オリーブオイル系も良さそう。
総評:夏に合わせるペアリングセットなので、全般的に瑞々しい食感とか強めの香味を合わせてあげることが良さそう。モッサリさせないことが大事。
ただし、蒟蒻や豆腐などの淡い味よりは、結構輪郭をハッキリさせる肴の方がペアリングとしての相乗効果は高め。酸味や胡椒、山椒系のスパイスを利かせてあげると良い。ただ、唐辛子系の辛味はもっと重厚感ある酒に合わせるべきなので微妙かな。チーズ、燻製系は全般OK。肉は鶏よりは豚とか羊とか。魚は脂強めが良いものの、あまり生臭いものは推奨しない。
それではいよいよ、今月のfukunomoペアリングです!
■今月のマリアージュ/ペアリングセット

・うつくしまエゴマ豚ハム チーズ&くるみ<福島県福島市/福島県流通ネットワーク協同組合>
・しののめ食品の餃子<福島県福島市/株式会社しののめ食品>
・プチマヨチーズ<福島県伊達市/株式会社中外フーズ>
・福島県産なす<福島県郡山市/農産物直売所 あぐりあ>
・会津の天神さま<福島県河沼郡会津坂下町/株式会社太郎庵>
・うつくしまエゴマ豚ハム チーズ&くるみ<福島県福島市/福島県流通ネットワーク協同組合>

福島は、実は健康食品としても知られるエゴマの名産地でもあります。エゴマ豚とは、このエゴマを配合した飼料を食べて育った、福島の銘柄豚。
口に含むと、エゴマ豚ならではの上質で蕩けるような脂の旨味がじゅわりと広がる、実にジューシーなハムです。その芳醇な肉の旨味と、ハムの中に練り込まれたチーズの濃厚なコクが、「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」のクリアな酸味と響き合う瞬間に、至福のハーモニーが生まれます。
さらに、くるみの香味と食感が軽快なリズムを刻み、味わいに奥行きと楽しさを添えてくれます。一口ごとに広がる豊かな風味と、酒の旨味、透明感が織りなすハーモニーは、まるで格付けレストランで供される前菜のような、心躍らせてくれる洗練の味。
夏の食卓に、気の利いた涼やかな贅沢を運んでくれること間違いなし。
・しののめ食品の餃子<福島県福島市/株式会社しののめ食品>

福島市の食文化を語る上で欠かせない円盤餃子、その老舗「しののめ食品」の逸品が今月のラインナップに登場です。熱々の餃子を一口頬張れば、パリッと香ばしく焼き上げられた皮の中から、肉汁と野菜、そして香味野菜が織りなす馥郁たる香りが立ち上ります。
長年愛されてきた定番は流行りの突出した個性こそ控えめながら、絶妙のバランスで絡み合う「最適解」のような、何個でも食べたくなってしまうところが魅力。
この豊かな旨味が「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」の清らかな香りと見事に調和する瞬間は、さらに新たな扉を開いてくれます。ビールがもたらすようなスッキリとした清涼感も良いのですが、こちらは餃子の持つ「旨味」と「香味」をさらに奥深く引き出し、肉汁が益々とろけだし、幾重にも重なる余韻として口いっぱいに広げます。満足感を与えてくれる、まさに至福のペアリングです。
・プチマヨチーズ<福島県伊達市/株式会社中外フーズ>

一見すると意外な組み合わせに思えるかもしれませんが、「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」は、この「プチマヨチーズ」のどこかジャンクな味わいをも包み込む懐の深さを持っています。濃厚なマヨチーズのまったりとした口当たりに、数の子キューブのプチプチとした軽快な食感が楽しいアクセント。とろけるようなマヨチーズのコクと、海の恵みを感じさせる数の子の程よい塩味。
これらが「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」の鮮烈な清涼感とうまみの包容力と出会うことで、互いの個性を際立たせながら、驚くほど軽やかな口当たりへと昇華されます。遊び心に満ちたこの一皿が、酒の秘められたポテンシャルを鮮やかに引き出し、印象深い味覚を楽しませてくれます。
・福島県産なす<福島県郡山市/農産物直売所 あぐりあ>

定番の夏野菜である、なす。夏の恵みを一身に浴びた福島県産のなすは、シンプルながらも確かな上質さを感じさせてくれます。
お好みの食べ方にアレンジして自由に召し上がって頂けますが、今回は厚めに輪切りにしたなすを熱した胡麻油と共に弱火でじっくりと炒め、仕上げにパラリと塩を振ってみました。
なすが持つ素朴な甘みとゴマ油の風味が絡み、じっくりと火を通すことで凝縮された甘み。「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」の爽やかなキレがちょうど良いアクセントになりつつ、互いの旨味を幾重にも引き立て合います。シンプルながら奥行を出してくれる味わいの中にこそ、この酒が持つ懐の深さ、ペアリングの良さを感じさせてくれますね。
・会津の天神さま<福島県河沼郡会津坂下町/株式会社太郎庵>

会津が誇る銘菓、「会津の天神さま」は、そのまま味わっても格別の美味しさです。しかし今回、ぜひ試していただきたいのは、この酒をブッセ生地に惜しみなくたっぷり染み込ませて食べるスタイルです。
ふわりと香る生地のバターと小麦の香りが、酒の芳醇な香りと一体となり、まるで魔法がかかったかのように引き立ちます。チーズのまろやかなコクと、「山の井 黒 -星ノ子 fukunomo edition-」の透明感ある甘みが舌の上でとろけ合い、極上のデザートを味わっているかのような贅沢なひとときが演出されます。
食後の締めにもぴったりの、心ときめくペアリングに、きっと感動を覚えることでしょう。この組み合わせは、まさに「大人のご褒美」と呼ぶにふさわしい、至福の体験を約束してくれます。
今月も、ご馳走様でした!
今回もご紹介させて頂いたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?
fukunomoは美味しい!楽しい!はもちろんのこと、福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する、福島に息づいている文化を守っていく一面もあります。ぜひご利用頂ければ幸いです。
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