喉を通るたび、その清らかさと穏やかさが心身を満たしていく感覚。極めて完成度が高い酒だ。(2025年2月|峰の雪酒造) - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

喉を通るたび、その清らかさと穏やかさが心身を満たしていく感覚。極めて完成度が高い酒だ。(2025年2月|峰の雪酒造)

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

 

【連載第78回目】

「水以上に理想的な清水」──。以前、峰の雪酒造の酒「ハツユキソウ」を、そう評したことがある。この酒もやはり、そうした峰の雪らしさがある。
凍てつく冬の朝。山々からの白い息が立ち、春の兆しを抱く雪解けの雫が清らかな流れとなる。柔らかな若芽や花の蕾。それらを集め交えた、清廉可憐な香りと蜜との淡い逢瀬。脳裏にそんなイメージが浮かぶ。

たおやかで滑らかな口当たり、極めて繊細で柔らかな甘味と旨味が溶け合うように染み込んでくる。喉を通るたび、その清らかさと穏やかさが心身を満たしていく感覚。極めて完成度が高い酒だ。
峰の雪酒造は、西洋では古くから神話や詩に謳われてきた蜂蜜酒(ミード)を手掛けることでも知られている。不思議と、この蔵の酒は日本酒であっても似たエッセンスを感じさせてくれる。

王道の日本酒らしさもありながら、神秘的なエッセンスがある。こうした酒との出会いこそ、「地酒」を嗜む醍醐味そのものとも言える。
この驚きと感動を味わってほしいと、強く思わせてくれる1本だ。

峰の雪酒造は、酒どころ福島県会津地方の中でも酒蔵数が一際多く、「人口あたりの酒蔵数が日本一」とも言われる喜多方市にあります。

さらに喜多方市と言えば、全国区レベルで名が知られた喜多方ラーメン、そして蕎麦好きを唸らせる山都(やまと)蕎麦など、福島を代表する美食がある地域。当然、酒のレベルも極めて高く、峰の雪酒造の日本酒も「その地域で切磋琢磨し長年愛され続けてきた」という時点で、品質折り紙付きとさえ言えるでしょう。

今回も早速、「勝手にペアリング」からいってみましょう!
 

■今月の美酒

・大和屋善内 純米生原酒 <福島県喜多方市/峰の雪酒造>

勝手にペアリングを考えてみた

峰の雪酒造の酒は、その柔らかな甘味と繊細な香りを楽しみつつ、多彩なおつまみと合わせることでその神秘的なエッセンスとポテンシャルをさらに引き出していきたいところ。
そこで、まずは香りを当ててみるべく燻製を試してみました。

・燻製たまご
燻製たまごのふっくらとした黄身と香ばしい燻製香が「大和屋善内」の繊細な甘味と出会うと、たまごの柔らかな甘さが酒の甘味と調和。さらに、雪解けのようにほろりと崩れる黄身が口の中で混じる度、お酒の旨味をよりジューシーに引き立てます。お酒も卵も、それぞれはっきり、あまりにも判り易く美味しくなった。これはいいな。絶妙なペアリングだと思う。

・牛バラ肉と飴色玉ねぎの辛味噌炒め
続き濃厚な旨味を持つ牛バラ肉と、じっくり炒めて甘みを引き出した飴色玉ねぎの組み合わせ。そこに、会津馬刺しに合わせることでお馴染みの辛味噌を加える。

この酒、繊細そうな気配がありつつも実は芯がしっかりしているので、こういう強めの味にもきちんとついていける。牛肉の脂が酒の柔らかさを包み込み、辛味噌も辛すぎず、お酒の香りを感じられる程度の丁度良い旨辛さ。これがアクセントになり、味わいをさらに深めてくれる。

・蕪の漬物
酸味を合わせてみようと思い、手元にあった山形県のあつみ蕪の漬物を合わせてみた。
すると、酒の穏やかな甘さが漬物の爽やかな風味と絡み合い、「甘酸っぱい」風味に代わる。口の中をリフレッシュしつつ、お酒の香りを次の一口へと引き立ててくれるペアリングです。

蜂蜜酒に合うおつまみ

ミードに似た気配があるので、そのイメージで肴を選んでも間違いなさそう。ミックスナッツ、チーズ、ローストビーフ、ソーセージ、生ハム、ドライフルーツなどなど。ナッツには、燻製香が付いていても良い。

それではいよいよ、今月のfukunomoペアリングにいってみましょう!

■今月のマリアージュ/ペアリングセット

・伊達鶏赤味噌漬 <福島県福島市/福島県流通ネットワーク協同組合>
・生あみの佃煮 <福島県いわき市/大川魚店>
・四季の味覚 ゆず千枚 <福島県伊達市/八島食品>
・自家製メンマ <福島県喜多方市/にくにく工房>
・純米煎餅 サラダ味 <福島県郡山市/かんのや>

 

・伊達鶏赤味噌漬 <福島県福島市/福島県流通ネットワーク協同組合>

伊達鶏赤味噌漬は、そのしっとりとした質感と奥深い旨味が特徴的。銘柄鶏ならではの、少し引き締まった淡白な口当たりでありながら濃縮された強い旨味に、更に赤味噌の芳醇なコクが染み込んでいる。これにしっかりと火を通し表面を香ばしく炙ることで、旨味と風味が更に高まること請け合いです。
ここでお酒と共に一口かじれば、鶏の優しい甘みと肉汁とが絡み合った強い旨味が広がり、それに酒の繊細な甘味が寄り添うように膨らむ。さらに、噛むほどに滲み出てくる味噌の風味が、お酒の爽やかな酸味と絶妙なコントラストを生み出します。

また、これはfukunomoによると喜多方の郷土料理「鳥皮モツ煮」もイメージしたとのこと。美味しいだけでなく、喜多方の文化やらしさが味わえる素晴らしいペアリングですね!

・生あみの佃煮 <福島県いわき市/大川魚店>

fukunomo編集部によれば、「今回一番驚きがあった一品」との激推し。どれどれ…?
と試してみると、なるほど。釜揚げしたばかりのシラスにも似たふっくらとした口当たりは乾物とは思えないほど瑞々しく、そうした中でもアミエビ特有の香味が際立ち、後味のしっとりした濃い目の甘じょっぱさも印象的。流石は、いわきが誇る老舗魚屋「大川魚店」が手がけたクオリティ。
酒をひと口含むたび、それらと清らかな香味が口の中で絡みつつ、よりハッキリと感じられる。アミエビの佃煮でこれほど豊かな味わい、贅沢感を感じさせてくれるとは思いませんでした。

・四季の味覚 ゆず千枚 <福島県伊達市/八島食品>

fukunomo定番のさっぱり漬物で、今回は蕪と柚子皮を使った爽やかな一品。
事前に「あつみ蕪」との好相性を確信していたので、ここで蕪と柚子の千枚漬が来たのは「待ってました」とばかり。蕪の甘みと柚子の香味とほろ苦さが、お酒の柔らかな甘味・香味と見事に融合し、箸休めを兼ねるさっぱりとした後味を楽しませてくれます。
「春の皿には苦味を盛れ」などと言いますが、柚子の香味と柑橘感、ほの苦さは、蜂蜜酒を思わせるエッセンスがあるこの酒には絶妙な組み合わせと言えるでしょう。

・自家製メンマ <福島県喜多方市/にくにく工房>

このメンマはチャーシューづくりの専門店が手がける、おつまみにもラーメンにもピッタリなメンマ。一般的なメンマに比べ、よりシャキッとした歯ごたえと香り立ちが特徴です。
この歯ごたえと旨味が酒の清らかな香味を引き立てつつ、その奥行きをさらに深めてくれる。ひと口ごとに噛みしめる風味と甘味が調和し、箸が止まらなくなる美味しさ。さすがのクオリティです

・純米煎餅 サラダ味 <福島県郡山市/かんのや>

軽やかな食感と、ほんのり効いた油の旨味が特徴のサラダ味の煎餅。
喜多方では「たまりせんべい」という軽やかな口当たりのお煎餅が有名ですが、今回のお酒には少しだけ油の旨味を加えると別のニュアンス、魅力を引き立ててくれます。
お酒もお煎餅も、同じお米由来。煎餅の油と塩気が酒の後味を引き立て、酒の香味と旨味が煎餅の香ばしさを引き立てる。つい手が伸びてしまう美味しさです。


今回もご紹介させて頂いたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?

fukunomoは美味しい!楽しい!はもちろんのこと、福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する、福島に息づいている文化を守っていく一面もあります。ぜひご利用頂ければ幸いです。

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申込期限2025年2月10日(月)まで