まさに「冬の気配」。静寂に跳ねる雪うさぎの足音。(2023年12月|大天狗酒造株式会社) - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

まさに「冬の気配」。静寂に跳ねる雪うさぎの足音。(2023年12月|大天狗酒造株式会社)

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

【連載第64回目】

澄んだ空気をイメージさせるシャープな口当たりと、後味に立つ雪の様に淡く控え目な、美しい香味との絡み。それは、まさに「冬の気配」。静寂に跳ねる雪うさぎの足音。
ただし荒涼と寒々しいわけでなく、冬の祝祭にも似た特別感と高揚感、華やかさと温もりを感じさせてくれる。

たとえば一年の仕事を納めた後の寛ぎに。あるいは大切な人との想い出を重ねる日に。 温かな部屋明りと暖房の灯に包まれながら、この酒を雪見に迎えて過ごす夜は、きっと極上の、特別なひとときとなるに違いない。

■今月の美酒

・卯酒 純米吟醸 雪うさぎ <福島県本宮市/大天狗酒造>

大天狗酒造は明治5年(1872年)創業で、地元本宮で愛され続けてきた老舗。同じ県内でも地元本宮以外では手に入れ難い、町外(本宮市は、平成の大合併以前まで本宮町でした)不出の「地酒」でありました。最近ではその魅力が知られはじめ、県内の有名な酒専門店でも存在感と人気を増しつつある注目の酒蔵です。

大天狗酒造のお酒は、福島の他の、どの蔵とも少し異なる独特の個性を感じさせてくれるかけがえない存在、というのが個人的な所感。
以前に飲んだときは、新潟の高千代酒造のお酒にも似た面影を感じたし、限定で出されていた「未完」もまた挑戦的で面白いお酒でした。これほど変幻自在に色んなテイストを投げかけてくれる酒蔵は、福島の酒の多様性と可能性をさらに広めてくれる貴重な存在だと思います。

中でも近年定番となった「卯酒」シリーズは、毎年、毎シーズン、様々な味を醸し出してくれる、いわば「旬」を届ける一本。個人的には特に、初めて飲んだ黄色いラベルの「卯酒 春」の独特なバランス感と香りが非常に衝撃的で印象深いです。

今回の冬酒は、キレの良い口当たりの中に仄かに香るメロンやバナナのような香りが印象的。後味には僅かにセロリにも似た香味野菜を思わせる風味も残る。その上で、良い意味で主張が控え目なので口当たりは重くなく、淡い風味と柔らかな旨味をゆっくりと楽しめるお酒と言えるでしょう。

勝手にペアリングを考えてみた

それでは毎回恒例、まずは先入観無しでこのお酒に合うペアリングを考えてみます。
今回のお酒のペアリングとしては、後味に残るセロリのような香味野菜的な風味を生かしたい。洋風で合わせてみたい気持ちがある。季節柄ポトフなどと合わせても美味しいんじゃないかと思えた。オニオングラタンスープも美味しそうと思ったので、内池醸造の「野菜が好きになるスープ」なんかも良さそう。

さらに、モッツァレラチーズやカマンベールチーズを使ったサラダなども良い。
胡椒やスパイスなどの香辛料、キノコなどの香りと合わせるのも良さそう。
また、オリーブオイル漬けとも合わせてみたいのでメヒカリのオリーブオイル漬けや、小田原屋の「食べるオリーブオイルきのこまみれ」とかも良いかも知れない。

甘味は、世界的にも有名になってしまった本宮市のぬか茂から「紅茶かりんとう」などはいかがでしょうか?特に、ボリスジョンソン元首相も好んで食べた紅茶風味は、今回の卯酒にさらに良い風味を合わせてくれそうな予感がします。

それでは、今回もfukunomoペアリングに行ってみましょう!

■今月のマリアージュ/ペアリングセット

・やまと豚のやわらか黒糖角煮
 <福島県田村市/ハム工房都路>

・厚揚ソフトスティック 
 <福島県いわき市/丸又蒲鉾製造>

・さきいかキムチ
 <福島県白河市/こまや>

・種まきうさぎのあんぽ柿
 <福島県伊達市/種まきうさぎ>

・桧枝岐そば レギュラー
 <福島県会津若松市/会津製麺工業>

・やまと豚のやわらか黒糖角煮 <福島県田村市/ハム工房都路>

『この商品単体でおいしすぎてマリアージュするお酒と出逢うまで出せなかった品』
今年のfukunomo3月号 に初登場した際、編集部をしてここまで言わしめた逸品。かくいう私も、『温めて食べてみると、これがもう、とにかく肉が旨い!味がよく沁みているのにベタ付かない。黒糖の甘さが絶妙。なんというか、おいしすぎる。ちょっとビックリですね。』『このおつまみがついて来るだけで、今月号のfukunomo買う甲斐あるんじゃないですか??』とまでレビューした肴の再来です。これは楽しみ!

久しぶりに食べてみると、やはり衝撃的なほどにダイナミックな旨味と、蕩ける口当たり。そこに卯酒を合わせると、ひんやりした喉越しが一閃、冴える。まるでサウナあがりにキンキンに冷えたビールを飲んだときのような心地良さ。さらに、後味には黒糖のやわらかな甘味がとても心地良い。何と言うか、控え目に言っても最高ですね!

・厚揚ソフトスティック <福島県いわき市/丸又蒲鉾製造>

次は、丸又蒲鉾さんの「厚揚げソフトスティック 」。
一般的な揚げかまぼこ よりも素材感の甘味がかなり強く、食べ応えのある一品。噛みしめるほどに、何とも言えない芳醇でふくよかな味わいが口の中一杯に広がります。
これにペアリングをしてみると、ややドライな今回のお酒の味も口当たりも優しく包み込み、ジューシーさをより強く引き出してくれるような印象。絶妙なバランス感覚です。先ほどの強烈な旨味の角煮と交互に食べると、グラデーションのように緩急が出てさらに味わい深い。美味しい。

さきいかキムチ <福島県白河市/こまや>

続いては、「さきいかキムチ」 。
こまやさんのキムチは本場韓国のキムチらしさを強く感じる、輪郭が整ったシャープな口当たりと強い香りが印象的。その一方で、口当たりは驚くほどキメ細やかで酸味は控え目。『本場のレシピを、ものすごく丁寧に作り込んだ』感があって、とても食べやすいですね。
漬けの旨味と辛味がイカの旨味と絡み合い、そこに卯酒の引き締まったキレある旨味がジューシーさをプラス。辛、甘、旨が織り成す、ついつい手が伸びるペアリングの完成です!

・種まきうさぎのあんぽ柿 <福島県伊達市/種まきうさぎ>

福島発祥・名産 のあんぽ柿は、一般的な干し柿に比べ鮮やかな色合いとセミドライフルーツとしてのジューシーさがたまらない一品。欧米ではワインにドライフィグ(干しイチジク)を合わせる習慣がありますが、その上位互換の感覚で楽しんでみるのがおすすめ。お好みでここにクリームチーズを足しても楽しめます。
「あんぽ柿」 最大の魅力として特筆すべきは、セミドライならではの瑞々しくも濃厚な口当たり。ここにお酒を入れてあげることで、芳醇ながらも非常にフレッシュな風味と柔らかな酸味が加わり、双方の魅力が際立つように。
あんぽ柿とのペアリングには、非常に大きなポテンシャルがまだまだ秘められていると断じざるを得ません。これを楽しめるのは、やはりfukunomoならでは!

・桧枝岐そば レギュラー <福島県会津若松市/会津製麺工業>

今回の〆は、会津製麺から「桧枝岐(ひのえまた)そば」。
山深い奥会津の桧枝岐は、尾瀬に繋がる玄関口。蕎麦の名産地としても知られています。
その「桧枝岐」の名を冠したこの蕎麦は、昔ながらの蕎麦がらを配合して香りや旨味がかなり強めの黒い蕎麦 。このかなり強めの香りが、卯酒の控え目な香りをかなり強く引き立ててくれます。それら香味が今度は蕎麦に薬味のように作用し、相互に高め合うペアリング。少し酔いが回った身体に心地よい喉越しもまた、実にポイント高いですね。

今月も、ご馳走様でした!


今回もご紹介させて頂いたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?
fukunomoは美味しい!楽しい!はもちろんのこと、新型コロナウイルスでの影響から立ち直ろうとする福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する一面もあります。ぜひご利用頂ければ幸いです。

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申込期限2023年12月15日(金)まで

ぜひこの機会にお申込みください。お待ちしています。(*´▽`*)