口当たりは穏やかながら、割としっかりした円熟味。オーセンティックな福島らしさが詰まった純米酒(2023年7月|豊国酒造合資会社) - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

口当たりは穏やかながら、割としっかりした円熟味。オーセンティックな福島らしさが詰まった純米酒(2023年7月|豊国酒造合資会社)

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

【連載第59回目】

古殿町は、武の誉高き修験一族の末裔が暮らす地だ。
代々伝わる「流鏑馬(やぶさめ)」「笠懸(かさがけ)」は、古殿町では800年以上も昔、鎌倉幕府初代将軍である源頼朝公の時代より始まったと伝えられる神事で、福島県の重要無形民俗文化財にも指定されている。弓矢の精鋭として恐れられた「竹貫(たかぬき)衆」は余人には扱えぬ独自の剛弓と矢を誂え、戦国時代には鉄砲隊をも打ち破る武勇を誇ったという。
https://www.town.furudono.fukushima.jp/kanko-dentou-bunka/see/bunnkazai/hatimannjinnjya/

この地の文化、そして阿武隈山系の清廉な水が合わさり醸された酒を喩えると、美しい甲冑を纏い駿馬を駆る武者姿が過ぎる。不撓不屈(ふとうふくつ)と言うべき力強さを感じさせながら、しかし無骨とは縁遠い、あまりにも美麗な立ち振る舞い。
極限まで引き搾った剛弓と、放たれた矢の対比にも似た「動と静」。双方の精妙を併せ持つかのようなバランスの良さ。深山の翠を彷彿とさせる奥行のある風味。

雄にして雅。剛毅にして駿逸。
懐が広い味わいは常温や冷やはもちろんのこと、夏場には氷を入れて、冬場は燗酒にしても楽しめるに違いない。古殿の地を、その伝統や文化を体現するかのような、実に洗練された美酒と言えるだろう。

今回の酒蔵、豊国酒造(通称「東豊国」)は、私にとって特に思い入れが深い酒蔵の一つ。
時はまだ20世紀、日本酒を飲み始めた若い頃。私は福島県内の酒と言えば会津と二本松以外はほとんど知らず、大変失礼ながら、当時は古殿に造り酒屋があることすら知りませんでした。
そうした中、ご縁があって手にした大吟醸「幻」(現在の「東豊国 大吟醸」にあたるお酒)を飲み、初めて味わう上品な吟醸香と後引く旨味が織り成すハーモニーのあまりの美味しさに驚愕したものです。こんな綺麗な旨味を持つ飲み物が世の中にあったのか、日本酒とはこれほどの可能性を秘めていたのか…!と。

その後、福島県を離れて暮らすようになってからも東豊国の衝撃がどうしても忘れられず。海外からの大切な友人達を迎えての酒宴の予定を控えた際には、酒蔵に直接お手紙を出して(当時はまだ、ネット通販が一般的とは言えなかったのです)わざわざ何本も取寄せて購入したことさえあります。(もう四半世紀近く昔の事ですが、先代の杜氏さんは覚えているでしょうか)
その甲斐あって海外からの友人達もまた、初めて飲んだ私と同様に東豊国の酒に驚愕し、感動し、日本での滞在を存分に楽しんでくれたようでした。
日本酒、まして福島の酒、なかでも古殿の酒が未だ県外や国外でほぼ知られていなかったに等しいその時代。しかし確かにその瞬間、少なくとも私と彼らにとって東豊国の酒は紛れもなく「日本を代表する1本」となり、かけがえなき想い出を彩ってくれたのです。

あれから時は流れ、今や東豊国の酒は全国新酒鑑評会で何度も金賞を獲得し、(今年5月にも金賞を獲得しています)、南部杜氏(主に東北に多い酒造りの流派)自醸清酒鑑評会では第92回と93回の2年連続で主席を獲得するなど県内外で広く評価され、名実共に福島や日本を代表できる銘酒の一つとして広く知られるようになりました。その実力と価値を多くの人より少しだけ古くから確信し、応援し続けてきたファンの一人としてとても嬉しく、今回もfukunomoで多くの人に紹介できることが僥倖であります。

■今月の美酒

・純米酒 超(ちょう) <福島県石川郡古殿町/豊国酒造合資会社>

まるでメロンを思わせる香りと口当たりの一本。
味のバランスが良くお料理を選びません。
冷やして飲むと爽やかな香りが引き立ちます。

勝手にペアリングを考えてみた

ではでは、今月も早速「勝手にペアリング」コーナー!から行ってみましょう。

今回の酒は、東豊国さんの「純米酒 超」。口当たりは穏やかながら、割としっかりした円熟味。オーセンティックな福島らしさが詰まった純米酒。香りはあるが、やや淡め。食中酒としての強い安心感がありますね。

ここは、割と奇をてらわずに王道かつシンプルな味を合わせていくのが良いかも知れないというのがファーストインプレッション。お酒が届いたときに宴会で残っていたスーパーのオードブルセットがあったので、fukunomoより先にこれらを実食して合わせてみました。

・エビフライ
オードブルの王道中の王道。無難に美味しい。一緒にかかってたタルタルソースのコクが良い感じに絡んでくれる。エビとの合わせは悪く無さそう。

・唐揚げ
当初味が強い揚げ物だから問題無く美味しくいけるか?と思ったものの、鶏肉だと少し淡白すぎたのか、特に後味の時点でペアリングとしては共鳴しきれずイマイチかもしれない。もちろん美味しいけど、鶏肉より違うもの合わせた方がこのお酒の場合良さそうかな。

・エビチリ
エビフライのときも感じたけど、意外とエビの旨味とプリプリ食感との相性は悪くなさそう。辛すぎず甘辛い感じの「コク旨」は良い感じ。このお酒、中華料理との相性が良さそうに感じる。紹興酒みたいな円熟感は無くとも、この力強さは味が強いものと合わせた方がより輝きそう。

・合鴨のパストラミ
ここにきてダークホースだったのがこれ。
合鴨は普通の鶏肉に比べて独特の香りや脂が良かったのと、黒胡椒が効いてたのがかなりアクセントとして秀逸だった。
このお酒、最初は王道かつシンプルと言ったものの、実はスパイシーなおつまみとの合わせで良い感じに化ける予感がするね。それこそカレースパイスなども使い方次第で良い感じになるかもしれない。中華料理は良さそうだけど、意外なところで、エスニックな風味と合わせても面白いかも? お酒自体に力がある食中酒なので、いろいろ掛け合わせてみたくなる。あと、パストラミ特有の燻製風味も良かった。燻製は、全般的におすすめかも知れない。

・蟹クリームコロッケ
エビが合うとなると、蟹も当然良かった。第一印象だと肉の方が向いてるかな?と思ったのに、意外と海産物、特に甲殻類とは良い感じ。これだと、イカを炙ったものにマヨネーズ付けたりとかも絶対美味しいと思う。

実食はそれぞれ一口ずつとはいえ、かなりお腹が一杯になったけど。
全般的な感想をまとめると

・エビやカニ、イカタコなどが良く合いそう。浅利や蛤、北寄など旨味が強い貝の乾物系も良いかも。
・燻製と黒胡椒が良い感じ
・濃厚なチーズは合う
・肉を合わせるなら、鶏より豚とか牛とかの方が良さげ。オーセンティックな日本酒な分だけ、イカとかタコみたいな昔ながらの日本酒つまみを追及すると良い感じ? かも。
・その意味では、乾き物との相性も良い予感がする。ナッツ類、特に燻製にしたらとても合いそう
・この感じは、味噌にも相性悪くなさそう。古殿はアクツコンニャクが有名なので、味噌と合わせてのさしみコンニャクを出してみるのも良いかもしれない

…というのが、先日行った手元のおつまみとの実食ペアリングでした。

続けて、いよいよ今月のfukunomoセットと合わせてみます!

■今月のマリアージュ/ペアリングセット

・しののめ食品の餃子
 <福島県福島市/株式会社しののめ食品>

・会津天宝 大葉みそ
 <福島県会津若松市/会津天宝醸造株式会社>

・うつくしまエゴマ豚 手造り焼豚
 <福島県郡山市/株式会社鈴畜中央ミート>

・ラジウムたまご
 <福島県福島市/有限会社かくた食品>

・さしみこんにゃく からし酢みそ付
 <福島県石川郡古殿町/アクツフーズ株式会社>

・しののめ食品の餃子 <福島県福島市/株式会社しののめ食品>

・会津天宝 大葉みそ <福島県会津若松市/会津天宝醸造株式会社>

今回のメインは、福島市で昔から餃子を作っているしののめ食品さんの餃子。
fukunomoコメントを見ると、『餃子が大好物!という矢内さん(杜氏)のために、おつまみ向けに特別味を濃い目にしたオーダー品。焼きたてアツアツをほおばって、よく冷えた「超」をキュっと…! お醤油でも良いのですが、大葉みそを付けダレとして使って頂くとしそ餃子風になってさわやかにお召し上がりいただけます』
ちょっと待って。しののめ食品さんって、そんなオーダーまで受けてくれるんですか?? いいなあ。fukunomoのための特注品だなんて、特別感が凄いです。
お酒に合わせて旨味が強くジューシーにカスタマイズされた餃子をカリっときつね色に焼き上げ、言われたように大葉みそと合わせるとこれがまた絶品!
実は私も餃子大好きなんですが、しそ餃子も相当好きなんですよ。滴ってきた肉汁とお酒のコク味に味噌としその風味と合わさって、なんかもう、たまんないですねコレ!

さらに、この大葉味噌は夏野菜と合わせても良いと思う。この時期、旬のきゅうりなどを一緒に食べたら箸休めとしても秀逸。fukunomoコメントでも『今回のお酒はきゅうりやメロンのような青みのある香りを持つ酒。味噌と合わせると飲むもろきゅうのような味わいに』。はい。とても良くわかります!大葉味噌、今回いろんなものに合わせられてとても良いですね!

・うつくしまエゴマ豚 手造り焼豚 <福島県郡山市/株式会社鈴畜中央ミート>

・ラジウムたまご <福島県福島市/有限会社かくた食品>

続いては、手作りチャーシューとラジウム玉子。
なおラジウム玉子とは福島市で作られている温泉玉子で、福島市の飯坂温泉から日本国内で初めてラジウムが発見されたことに由来して名付けられたのだとか。
もちろん、それぞれ単品でも美味しいのですが、これもfukunomoから餃子+大葉みそに続く「おつまみ同士のマリアージュ」としての提案がありました。
まず、チャーシューをとろとろの食感になるよう少しだけ温めて、そこにネギをまぶし、ラジウム玉子を絡めてみると…なるほど! チャーシューのくちどけに玉子の黄身が合わさり、旨味と食感がとろっとろのまろやかにお酒に溶け出してきます。そこに、シャッキリしたネギの食感と風味が絶妙のアクセント。餃子に引き続き、まさにジューシー。芯と旨味が強い「超」ならではの、ダイナミックなペアリングの魅力が堪能できます。

なおラジウム玉子は単品で食べるのもおすすめ。その場合、fukunomoからは『必ず添付のお出汁をかけてください!』と強調されています。確かに、この出汁が絡むことで、お酒が口の中で出汁割りのような風味に。ああ、このペアリングはお酒を燗にして飲んでも良いですね。しっとりと、五臓六腑に旨味が沁み渡る感覚がある。温かい団欒に合わせてもいい。単に「美味しい」だけでなく、心までしみじみと満たされるような満足感がありますね。

・さしみこんにゃく からし酢みそ付 <福島県石川郡古殿町/アクツフーズ株式会社>

〆の一品は、アクツフーズの「さしみこんにゃく」。
はい、来ました地元古殿のアクツフーズさん。大好きです。
これまでのおつまみが、「超」が持つ武者のような力強さ、芯の強さを活かしたペアリングだったのに対し、こちらはお酒が持つ駿馬のような爽快感を上手に引き立ててくれます。風味と喉越しの爽やかさ、食感の良さが、お酒や食材同士のペアリングとして非常に良いバランスを演出してくれる。実に最適なチョイスですね!


今回もご紹介させて頂いたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?

fukunomoは美味しい!楽しい!はもちろんのこと、新型コロナウイルスでの影響から立ち直ろうとする福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する一面もあります。ぜひご利用頂ければ幸いです。

この記事を読んでfukunomoを試してみたいと思った方は、下にある特別リンクからfukunomoスタンダードコース、またはプレミアムコースにお申し込みいただくと、特別なおまけも付いてきます♪

なお今回プレミアムコースにお申込の方には純米酒「超」の他、記事に出てきた林の想い出深き「幻」を受け継いだ『東豊国 大吟醸』、最新の全国新酒鑑評会における『金賞受賞酒』そのものをお手元にお届けします!いまや数々の鑑評会などで高い評価を受け続ける豊国酒造合資会社が誇る、県外では滅多に手にすることが出来ない逸品です。ぜひ、この機会にお試しください!

申込期限2023年7月15日(土)まで