「日本の田んぼを守る酒蔵」で楽しむ 美酒と美肴のマリアージュ BBQ 1万字レポート!|fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り 番外編 - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

「日本の田んぼを守る酒蔵」で楽しむ 美酒と美肴のマリアージュ BBQ 1万字レポート!|fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り 番外編


2018年3月21日(水・祝)に、仁井田本家さんにて
チームふくしまプライド。×fukunomoのコラボイベント、
「『日本の田んぼを守る酒蔵』で楽しむ 美酒と美肴のマリアージュ BBQ」
を開催しました!

当日は雪が降る寒空の下での開催となりましたが、
会場からは「おいしい!」という声や笑顔が溢れ、
参加者の皆さまには満足していただけたようで私たちもとてもうれしく思います。
そんな会場での様子をお伝えするべく、当日のゲストでもあった福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@sake_kaeru)が報告レポートを寄稿してくださいました。
福島の酒・食に対する愛情や当日の会場の雰囲気が生き生きと描かれた文章、どうぞご覧ください。
※写真はfukunomo編集部撮影のものとなります。

【イベントレポート】

全国のfukunomoファンのみなさま、そしてBBQ(バーベキュー)とお酒好きな方々、ごきげんよう!
寒さも次第に和らぎ、春めいてきましたね。いよいよやってきたお出かけ日和、バーベキュー解禁の季節です!
…というわけで今回はfukunomo実演体験会ともいうべきマリアージュの真髄を楽しむイベント、「日本の田んぼを守る酒蔵で楽しむ美酒と美肴のマリアージュBBQ」(タイトル長いね…)に参加してきました!
みなさまご存じのように、fukunomoが大切にしているのはお酒そのものだけではなく、そのお酒との食べ合わせ。いわゆるペアリングやマリアージュなのですね。
まあ日本酒自体が大変懐の広いお酒で、実は結構適当におつまみを合わせても割とイケてしまうというメリットがありまして。
反面そうしたメリットのせいでもあるのか、こうした食べ合わせを楽しむ文化は、ワインほどには発達してきていないんですよね。なんて勿体ない!!
他のお酒に比べて、日本酒が何に合わせても無難に美味しく懐が広くなるのには、きちんと理由があります。日本酒にはそれ自体に旨味成分のグルタミン酸が多く含まれていて、含まれている香り成分の種類もワインより多かったりします。(ちなみに同じ醸造酒のビールやワインと比べてみると、日本酒のアミノ酸含有率はビールが1,ワインが3、日本酒8となっているそうです。
月桂冠ホームページより)
その結果、たとえば海産物と合わせても生臭さを消してより食べやすくしてくれたり、和食以外の洋食と合わせた場合でもチーズや完熟トマトの旨味成分と日本酒の旨味成分とが共鳴し合って、口の中でおいしさが弾け飛んだりします。みなさんも心当たりないですか?
つまりきちんと造ってある日本酒はその潜在能力が高すぎるために、味だけでみればお酒単体でも飲み続けやすく、たとえ合わせる肴がどんなものであっても充分に美味しくなってしまう子なんです。これはプロスポーツ選手には別の競技をやらせても一般人より遙かに上手!というようなものです。
だから、相性を考えずに飲んでなんとなく美味しい?としているその味は、もしかするとその日本酒が本来持つ魅力の「最低ライン」であった、なんてことも…。
そんな才覚溢れる子たちの潜在能力を最大限に引き出そうとする日本酒のマリアージュやペアリングは、まだまだ知られていません。しかも近年は日本酒全体のレベルもかなり上がってきていて、味わいや楽しみ方はより多様に、より美味しくなってきています!
fukunomoは、そんな日本酒の魅力や楽しみ方をもっともっと見つけるための探検を毎月行っていて、新しい発見や幸せ気分を発掘しているのでした。面白そうでしょ?(*´艸`*)
さて、前置きが長くなりましたね。
今回はそんな楽しみ方をみんなで集まってやってしまおうというイベントでして、福島県郡山市の東部、あぶくま高原の麓に位置する仁井田本家さんにお邪魔してきました!

・お酒を頂く前に…

乾杯の前には、酒蔵の見学を。仁井田本家さんは非常に歴史のある酒蔵で、創業からすでに300年以上の伝統を誇ります。そんな仁井田さんがこだわっているのは、「自然」の力を引き出すこと。お米は化学肥料や農薬を全く使わない自然米のみを使用し、水も全て天然水。(ちなみに、あぶくま高原地域は東洋一の鍾乳洞といわれる「あぶくま洞」があるほどに石灰岩層が多く、自然の力で濾過されたものすごく美味しいお水が採れるんですよー)
製法も非常に手間がかかる、自然由来の乳酸菌を生かした昔ながらの生酛造り(これを今もやっている蔵は本当に少ないです)と、白麹(しろこうじ)を使ったものの二種類。ここまで自然由来のものばかりにこだわり抜いた酒蔵は、ごめんなさい、私が知らないだけなのか、他にはちょっとなかなか思い当たらないのです。商品に関わる素材の全てが「オーガニック」と呼んで差し支えないのではないでしょうか。

・地物尽くしのマリアージュ・ペアリングラインナップ

さて、いよいよ実食です♪今回のマリアージュラインナップは

  • 穏(おだやか)しぼりたて生×郡山ブランド野菜
  • 穏 うすにごり生×味付け卵
  • しぜんしゅ純米吟醸×郡山市田村町 鈴木農園さんのジャンボなめこ
  • 穏 純米吟醸×郡山市田村町 ふるや農園さんの里の放牧豚ソーセージ
  • しぜんしゅ燗誂(かんあつらえ)×郡山の鯉
  • 純米吟醸 田村×伊達鶏、akechanファーム・ラボさんの黒丸だいこん、天のつぶリゾット
  • しぜんしゅ純米原酒×うつくしまエゴマ豚
  • 百年貴醸酒×仁井田本家さんの酒粕スイーツ・ふわとろ

と、豪華8本立てとなっています。しかも、当初バーベキュー…なんて書いておきながら、「ただ火であぶるだけ」なんて甘いものではありませんでした。
これを仕立ててきたのはなんと、郡山を中心に料理の研究を重ねている中田智之シェフ。プロが、炭火を使って、その場で調理してくれるフルコース仕立てだったのです!
お酒も、こんな豪華なラインナップの高級酒が事実上飲み放題。しかも郡山駅からの無料送迎バス付き。fukunomoは毎月手元に届く商品も、お値段の割に中身の単価が高めで豪華なのですが、今回の実演イベントも参加費がこれで一人5,000円。これを破格と言わずして、何というのでしょう…。

仁井田本家さんのお酒がずらり!!


皆さまと一緒に乾杯!

  • 【穏 しぼりたて生×郡山ブランド野菜】

最初は乾杯酒として、黄色いラベルの「穏 しぼりたて生」と、郡山ブランド野菜を合わせます。

[穏 しぼりたて生]


このお酒は白麹を使ったお酒です。白麹はもともと焼酎の製造に多く使われているもので、焼酎にも似た香りをうっすらと漂わせながらも穏やかに、すっきりとした気品を感じさせる味わい。
これを高い実力を持った日本酒と上手に融合させることで、
・一口目には焼酎のような飲みやすさと特有の風味をわずかに感じさせつつ
・中盤には日本酒が持つ圧倒的な強い旨味が駆け抜け
・最後にはやはり焼酎由来のような心地良い透明感で次の一口を進みやすくさせる
という多段構え。つまり重さやもたれ感がほとんど無く、日本酒の旨さを存分に堪能できてしまうというイイトコ取り。これは(私も含めて)胃腸が疲れた中高年のみなさまにも、お酒の経験がまだ少ない若い人にも、本格派の味わいを求める呑兵衛にも、誰にでもおすすめできる恐るべきオールラウンダー。
はい。驚きました。こんな美味しいお酒を乾杯酒にされては、お酒が進みすぎます…!
このお酒に合わせるのは、郡山のブランド野菜。最初は野菜がおつまみです。
手元に運ばれてきた一品目はキャベツをシンプルに焼いたもの。あとは、じゃがいものようにほっくりとした、蒸した人参。玉ねぎも丸ごと。シンプルなんですが、これを口に入れると、とても甘いのです。時期を考えても、寒さに耐え忍んで糖分をたっぷりと蓄えたお野菜たちなのでしょう。今年は野菜がお高く、雪下キャベツなんていったらかなりお値段しましたよね…。

[郡山ブランド野菜のキャベツ・冬甘菜]


[郡山ブランド野菜の玉ねぎ・万吉どん]


さて。お野菜なのですが、お肉やお魚などの味が強いものと比べて、葉物野菜や根菜そのもののシンプルな味わいをおつまみとして調和させるのは結構難易度が高いのです。今回は合わせるお酒そのものがしっかりした香りと味わいで、かつ、さらりとして優しく、飲み疲れ感が出にくい「穏しぼりたて生」ならではの特性がしっかり生かされていると言えました。お見事です。

  • 【穏(おだやか)うすにごり生×味付け卵】

続いて出てくるのは、ピンクのラベルの「穏 うすにごり生」。微発泡感の残るフレッシュなうすにごり酒。先ほどのお酒の別バージョンです。

[穏 うすにごり生]


これも乾杯酒に最適な華やかさと心地良さが感じられます。もはやビールやシャンパンの代わりを務められますね。
…しかしなにより、こんなに飲みやすいのに飲み飽きないこの魔性の酒よ。(笑)
会場の一升瓶が、みるみる減っていきます。
これを先ほどの「しぼりたて生」と併せて楽しみつつ、今度のおつまみには敢えて、しっかりと味が染みた煮卵。最初に合わせたシンプルな野菜の旨味との絡みだけでなく、強めの味わいのものと合わせる別の楽しみ方も実感できました。

  • 【しぜんしゅ 純米吟醸×郡山市田村町 鈴木農園さんのジャンボなめこ】

次のお酒は「しぜんしゅ」「穏」ブランドとは別の、伝統的な生酛造りのお酒です。

[しぜんしゅ 純米吟醸]


生酛造りは、さまざまな菌が混在する中から天然の乳酸菌を強めていく非常に時間も手間もかかる手法で、お酒に奥行感のある多層的で複雑な深みと強さ、逞しさが生まれます。その可能性には大自然そのものを思わせるような果てしない広大さと多様性とがありますが、反面品質の制御も難しく、蔵元の手腕が大きく問われる製法です。
この「にいだしぜんしゅ」(最近ひらがな表記にラベルが変わりました)は、地元を中心に長年愛され続けてきた看板ともいえるブランドです。
最初にもお話しましたが、手間のかかる生酛造りを今も続けている蔵はそう多くはなく、速醸酛(乳酸の添加による製法)で造ることがほとんどです。また最近の酒造りは、お米をよりたくさん削り出して雑味を消し、ピュアでクリアな味を引きだそうとする蔵が多い傾向があります。そのためには、お米の中心部以外をほとんど削り落としてしまうのですね。
もちろん米を徹底的に削って合理的に菌を選別し、純度を高めていくことでしか得られないお酒の味わいもまた素晴らしいのです。
そこには繊細な硝子細工のように非常に精巧で透明感溢れる、神々しいまでに洗練されたかけがえのない美しさと魅力があります。
しかし一方で、「良いお酒」を決めるための条件はそれだけではありません。
たとえば味わいの純粋さを求めるために削られてしまっている部分も「素晴らしい一流の技術と素材によって米本来の持っている可能性を上手に引き出される」ことで、それを生かしてむしろ魂とも言うべき、煌めく息吹のような味わいをお酒に宿らせることも可能なのです。そうやって造られた酒もまた「かけがえのない洗練さ」の一つであり、最高のお酒です。これだから日本酒の世界は奥が深くて面白い!
福島の酒蔵は全体的に、お酒からこうした魅力を引き出すことが非常に上手です。毎月のfukunomoレポート記事で私がときどき使う「香気」という表現がありますが、これは繊細なヴェールのような優しさと香り、それと同時に圧倒的な実力を感じさせるオーラのような風合を感じさせるもので、まさに、並外れた技術と信念の賜物といえるでしょう。
素材の特性を熟知し、その潜在的な実力を引き出した「その上で」更にバランスをみながら米を削り洗練させた酒こそが福島の酒であり、それが全国新酒観評会での金賞受賞数5年連続日本一や国内外様々なコンクールでの高評価にもつながっています。
そんな福島の酒の中でも、この仁井田本家さんのお酒は自然の力を一際大きく引き出そうとするものです。あくまでも天然の乳酸菌を生かし、原料となるお米もなるべく削りません。そもそも仁井田本家さんは「日本の田んぼを守る」という強い哲学の上で原料となるお米を畑から作っているので、原料となるお米の地力自体も極めて強いのです。そのお米をさらに、自然の恩恵をたっぷりと受けた素材と技術で醸します。
そうやってできたお酒は、体感的には、たとえば精米歩合を50%に留めても一般的な米を40%近くまで削ったものに匹敵するかのよう。極端に削らなくても、本来「雑味」とされて切り捨てられてしまうものまでが「旨味」としてかけがえのない役割を持ち、本気で良い仕事をしてお酒を支えてくれる。…そんな、いわば「仲間はずれをつくらないお酒」と言えるのかも知れませんね。なんだかちょっぴり、優しい世界。
沢山の力が共鳴しあって完成されたその味わいはまさに、世界的な大交響楽団によるフルオーケストラと呼ぶに相応しい芸術品。奏でるハーモニーは人の心を震わせ、一方で合わせるおつまみとも仲睦まじく手を取り合って踊りだすかのようです。
お酒の解説が長くなりすぎましたね(笑)。
そんな「しぜんしゅ」のダイナミックな地力に合わせるのは、郡山の地元のブランド品、ジャンボなめこをサックリ揚がったフリットにて。ジューシーな食べ応えと揚げ物の強い味わいでも、芯の強いしぜんしゅは当然力負けなどしません。おつまみをハーモニーの一員に加えて、食べる人をさらに楽しませてくれました。会場ではおつまみが美味しくて、おかわり欲しい人も続出していましたね。( *´艸`)

[鈴木農園さんのジャンボなめこを調理中]

  • 【穏  純米吟醸×郡山市田村町 ふるや農園さんの里の放牧豚ソーセージ】

次の美味しいものは、「里の放牧豚ソーセージ」。最高の素材を贅沢に詰め込んだ、一般流通がほとんどされていないプレミアムソーセージ。
…あれ、このイベントの参加費、事実上の飲み放題と送迎付きで5,000円でしたよねぇ……?なにこの高級素材。本当にいいんですか??頂いてしまっても???
ぷりっぷりに焼きあがったソーセージを口に含むと、パリッ…と弾けるを超えて、詰め込まれた濃厚な肉汁が一口噛んだ瞬間から口の中に全力でぶつかってきて、思わず慌ててしまうほど。二口目、三口目、一噛みごとに、押し寄せるすさまじい旨味が。1本でこんなに食べごたえがあるソーセージは初めてです。
ここに、「穏」の純米吟醸を合わせます。

[穏 純米吟醸]


仁井田さんのお酒の中で一際スッキリとした香りが立つ上等なこのお酒は、口の中に広がりすぎた濃厚な旨味を「薄める」のではなく「足し算によって」なのになぜかバランス良く上手に中和しながら、お肉とお酒の双方を最高に楽しませてくれます。これぞ、マリアージュの醍醐味かもしれませんね。お互いがお互いの良いところを本気で生かしてくれている。

  • 【しぜんしゅ燗誂(かんあつらえ)×郡山の鯉】

圧倒的な旨味を感じさせる「しぜんしゅ」の力強さは、燗酒にしても楽しめます。むしろ燗にすることでその魅力がさらに引き出されるとさえ言えます。
今度は「しぜんしゅ」バリエーションの一つ、「しぜんしゅ燗誂」。その名の通り、燗酒のために造られた「しぜんしゅ」です。

[しぜんしゅ 燗誂]


雑味なく、気品ある穏やかさを湛えた燗酒。こんなに綺麗な燗酒があるものなのか…!と感嘆の溜息がでます。
実はこの日、燗酒がどうしても苦手で…という方も参加者の中にいたのですが、そういう方でさえも美味しく飲んでしまっていました。すごい。

[会場には燗酒も]


この燗酒に合わせるのは、郡山の鯉
鯉は古来、身分の高い人達の間でたしなまれた高級魚です。郡山市は食用鯉の生産量が全国一位ですが、鯉が郡山の名物になった理由には、きちんと文化や歴史的な由来があります。
郡山は昔、まとまった水源の確保が課題の地域でした。明治時代になってから、西の猪苗代湖から水を引く安積疎水を造ったオランダ人技師「ファンドールン」の名は、全国的には知られていなくとも福島県では有名人。小学校の社会科で必ず習う人物だったりします。福島県民にとってはファンドールンを知らないなんて、いわば黒船で来航したペリー提督を知らないようなものです。(言い過ぎかな?(笑))
…という訳なので、これ以前の時代の郡山には、水を確保しておくためにたくさんの溜め池が作られていました。そうした溜め池で鯉を多く育てていたことが、ここまで鯉の食文化が発展した由来だと言われています。
鯉は、お湯で湯がいた「あらい」や、最近では「刺身」にも良く使われますが、今回の料理は「鯉の旨煮」

[鯉の旨煮]


とても味が凝縮されており、いわば旨味の塊と化したものです。ここに「しぜんしゅ」の燗を合わせてあげると、心に沁みるかのような優しい口当たりの次の瞬間、燗酒に鯉の旨味が、じわり、じわり、じゅわぁぁぁぁぁぁ…っとお酒に向かって染み出してくるのです!
お口の中で素材同士が出会って完成された料理になるというか、まるでポップコーンが次々と弾けはじめて一気に膨らむかのように、ジューシーな旨さが口の中で収まりきらないほどに溢れてきます。ヤバい。

  • ここで蔵元からスペシャルなプレゼントが…!

ここで仁井田さんからなんと、サプライズプレゼントまで登場しちゃいました。それは「穏  純米吟醸 山田錦」。なんと、蔵元もまだ最後の味見をしていなかった、まさに出来たての未発売品!
しかもそのお酒は、いわき市で無農薬栽培をした酒米の横綱「山田錦」を使った逸品です。
仁井田さんは震災からの復興支援の中で、冷涼な東北地域での栽培が難しい「山田錦」「雄町」(それぞれ主要産地は兵庫県、岡山県)といった酒米を、福島県内では比較的温暖な浜通りのいわき市と南相馬市小高区で栽培するという試みを続けており、今回特別に頂いたお酒はそのうちの一つ、いわきの山田錦を使ったお酒でした。
このサプライズには会場のテンションも大盛り上がり!歓声があがりました。(笑)


お味も大変美味しく、淡麗で香りが極めて高い山田錦の特徴を持ちつつも、仁井田さん「らしさ」がある、米の底力を感じさせるかのような見事な逸品。まさかのこんなプレミアムなお酒まで頂いてしまって、感激です♪

  • 【純米吟醸「田村」×伊達鶏のグリル、akechanファーム・ラボさんの黒丸だいこん、カトウファーム天のつぶリゾット】

盛り上がりが続く会場には、続いて純米吟醸「田村」。仁井田本家さんの所在地が「福島県郡山市田村町」ですから、文字通りまさに「地酒」と呼べるお酒と言えます。

[田村]


量販店では手に入らない希少なプレミアム品であり、蔵元と限られた専門店、そしてこのfukunomo以外ではなかなかお目にかかれないプレミアム品。
火入れ熟成がされた商品で、冷やにしても良し。燗にしても良し。あらゆるシーンで活躍できる、極めてバランスも良くハイレベルなこのお酒は、晩酌のみならずしっかりとした食事に合わせるのにも最適です。
これを食中酒として、伊達鶏と黒丸だいこん、そして福島県オリジナル品種の米である「天のつぶ」を使ったリゾットに合わせます。

[伊達鶏のグリル・天のつぶのリゾットと黒丸だいこんを添えて。]


ここで使われている「天のつぶ」というお米は、非常に粒立ちがはっきりしていて大きく、汁物と合わせてもドロドロになりにくい特徴を持ったお米です。
米自体の旨味もかなりあるのですが、その本懐は米自身が最前線で強い味の主張をするというよりも、いわばサッカーでいうミッドフィルダーのように、バランスを見極めながらどんなおかずをも引き立てていく、食事全体の「司令塔」ともいえる懐の広さ。
口の中に入れるとホロホロとほぐれていくかのようなエアリー感ある食感と、強い個性や味を持ったおかずの良さをも最大限に引き立てるこのお米の味わいは、今回のリゾットなどはもちろん、日本のカレーライスやオムライス、丼ものなどへの相性が抜群!
それだけでなく、この粒立ちの良いお米を一般的に古米が使われているお寿司に合わせれば、新米の味わいの良さを生かしての寿司の新たな可能性を広げることもできるかもしれません。現在中東のカタールでは、福島県産の「天のつぶ」が、アルティメット・スシ・ライス(究極の寿司米)として人気を博しています。しかも今回のお米は、「天のつぶ」生産の名手として名高い福島市のカトウファームさんからのご提供です。これは美味しいに決まってます!
https://www.fukushimatrip.com/9358
福島県が誇るブランド鶏の伊達鶏と天のつぶ。ここに箸休めにもなる黒丸だいこんをアクセントとして合わせて「田村」と楽しむ地産地消の食事は、まさに「滋味」。身体に良いものが、全身に沁みわたっていくかのようです。
 

  • 【しぜんしゅ純米原酒×うつくしまエゴマ豚】

メインディッシュを飾るのは、「うつくしまエゴマ豚」。福島県の名産品であるエゴマ(じゅうねん)を飼料に使った豚肉で、これを塊のまま豪快にグリルして中田シェフ特製のBBQソースで仕立てました。


このソースに使われていた材料の一つは、福島名産の「あんぽ柿」以前fukunomoのコラムで取り上げたこともあるのですが、あんぽ柿はワインにおけるドライフィグ(干しイチジク)の上位互換品といえるほどのポテンシャルがあります。「あんぽ柿」自体は全国の他の地域にもあるのですが、福島のものは特にセミドライならではのジューシー感が強めで、これがお酒や素材の旨味をより引き出して、お酒などと合わせたときにまさに「マリアージュ」と呼べるほどの味わいの変貌を楽しめます。この「福島のあんぽ柿」は、県外の方にはぜひ試して頂きたい一品です。
https://www.f-sake.com/blog/hayashi1801.html
この旨味たっぷりの豚肉を旨味たっぷりのソースで絡めたメインディッシュには、「しぜんしゅ」の中でも殊更旨味たっぷりの「しぜんしゅ純米原酒」を合わせています。

[しぜんしゅ 純米原酒]


いずれも劣らぬツワモノたちが全力でぶつかり合う美食の饗宴。頭がクラっとする程に強い美味しさに、おもわず、んんーーーーーーーーっっ!!!と目を瞑って味を噛みしめるほどでした。…すいません、参加できなかった方、本っ当にごめんなさい!!これ、すっごく幸せな味がしました!!現場からは以上です!!

  • 百年貴醸酒×仁井田本家の酒粕スイーツ・ふわとろ

最後には、しっかりとデザートまで。バーベキューというより、やっぱりこれはフルコースなのです…。
白くきれいなふわっふわの上品なババロア。口の中に入れると、優しい甘さとともにとろけていきます。
なによりもコレ、これまでずっと見て頂いた、この「素材にこだわり抜き、その持ち味を最大限に生かすことができる仁井田本家さんの、正にそのお酒の酒粕そのものを使った絶品スイーツ」です。こんなの美味しいに決まってるじゃないですか!!今更これ以上に何の説明がいるというのですか!!!(笑)
そこに合わせるマリアージュは、「百年貴醸酒」。仁井田本家さんが2011年に、創業300年を記念して未来に向けて造り始めたお酒です。

[百年貴醸酒]


日本酒の仕込みに使う水の代わりに、前の年までに造った貴醸酒を使ってさらに仕込むという贅沢なお酒で、継ぎ足し継ぎ足し、何年もかけて引き継がれていくそれは、まるで老舗のお店の秘伝のタレのよう。
このお酒を造りはじめた2011年はちょうど東日本大震災に重なってしまったために、奇しくも震災からの歩みを同時に刻むお酒にもなったのです。
その味わいは──。美味しいのは当たり前なのですが、敢えて、ナイショです。
このお酒がこれから未来へと刻んでいく歩みと深みを増すその味わいは、私が今ここで語るよりも。
これから先に、このお酒を実際に口にするご縁を持った方それぞれが、そのときどきの時間に。
それぞれに重ねた想いと時間の流れの中で、その方自身の言葉によってこそ、語られるべきだと思うのです。
…なーんて、ちょっとカッコつけてみました。なにせこれから100年先の未来に託すお酒なんですから、このくらい勿体ぶってキザなくらいに語っても、多分バチはあたりません。むしろちょうどよいくらいなのです。
でもでも、味がどうしても気になって仕方がない方は、ぜひ直接お買い求めください。みなさまからのお買い上げを、仁井田本家さんは大歓迎してくださる…はず。(笑)
ちょうど幸いにも、今度の4月8日の日曜日は、朝10時~夕方15時までの間に、「にいだの感謝祭」というイベントが郡山市の後援にて行われます。毎年、仁井田さんのファンたちが心待ちにしている一大イベント!郡山駅西口から無料のシャトルバスも運行します。これはもう、行くしかないのでは!!

・さいごに

本当に豪華だった今回のイベント、ゲストとして呼ばれた身ながらとても楽しかったです!!
料理とお酒の美味しさとマリアージュの楽しさはすでに延々と語りましたが(笑)、蔵元の仁井田さんと直接一緒にお酒とお話が楽しめたという贅沢な時間あり、fukunomoでは「リサのお部屋」でおなじみ、毎月のfukunomoや今回のマリアージュ・ペアリングを企画・提案している松岡梨沙さんとの呑兵衛トークあり(これを楽しくやれる相手って、貴重なんですよー)、ご来場くださった方々との乾杯に次ぐ乾杯の交流ありで、本当に楽しめました!

仁井田穏彦さんと真樹さん


お酒の解説をする松岡梨沙さん


ゲストシェフの中田智之さん


マリアージュを楽しむ皆さま


すでに次回のイベントが待ち遠しくなっています。またやりましょう!!
そのときは、これをお読みくださったみなさまもぜひ、ご一緒頂ければ幸いです。ものすごーーく、お得だと思いますよ♪
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今回は楽しいイベントも開催されましたfukunomo。
もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?
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詳しくは、fukunomoホームページからお問い合わせ下さい。
お待ちしています。(*´▽`*)