海外コンクールで世界一を獲ったほまれ酒造のしぼりたて生酒に舌鼓!「會津ほまれ無濾過純米生原酒」~fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り(2018年1月号|ほまれ酒造) - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

海外コンクールで世界一を獲ったほまれ酒造のしぼりたて生酒に舌鼓!「會津ほまれ無濾過純米生原酒」~fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り(2018年1月号|ほまれ酒造)


福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@sake_kaeru)が、fukunomを体験しての感想および紹介文を寄稿してくださいました。福島の酒・食に対する愛情が溢れた文章、どうぞご覧ください。
※写真はfukunomo編集部撮影のものとなります。

【連載第3回目】

毎日寒い日が続きますね。今シーズンは全国あちこちで大雪が続いておりますが、春はすぐそこまで来ています。もう少しの辛抱です!

おかげさまで3回目になりましたこのコーナー。前回の曙酒造「大俵引きおりがらみ生」のレポートも、大変ご好評頂きましてありがとうございました。応援して下さる声があって、なんとか打ち切りをまぬがれております。(笑)

さて。新年、年始めは日本酒にとってはしぼりたての新酒の季節。この時期ならではの新鮮な生一本が楽しめます。

今月のお酒 「會津ほまれ無濾過純米生原酒」

今月号も先月に引き続いての、しぼりたて生酒。福島県喜多方市、ほまれ酒造株式会社「會津ほまれ無濾過純米生原酒」のお届けです♪

ほまれ酒造さんがある喜多方市は、古くから「喜多方ラーメン」でも全国的に知られている他「蔵の町・喜多方」とも言われており、町のあちこちに古い蔵が見られます。

蔵が多ければ、酒蔵も多い。お酒を造っている酒蔵だけでも、なんと市内に9軒もあるのです。昨年は一つの市内にある金賞受賞蔵の数も、日本一。圧巻です。

ほまれ酒造さんはその中でも創業100年を越える老舗酒造です。めがねが似合うフリーアナウンサー、唐橋ユミさんのご実家でもあります。
この蔵。実は新酒観評会新酒観評会金賞受賞常連であるだけでなく、他の数々の観評会でも数々の栄誉を何度も手にし、IWCという海外コンクールでは世界一の称号「チャンピオン・サケ」を獲得したこともあるスゴい蔵です。
一方で福島県内では昔から沢山の人に知られている大手の蔵でもあり、お馴染みの存在です。世界を驚かせる最高品質の酒から日常を彩る普段使いの身近なお酒まで、幅広く造っているのです。(とは言っても、日常的なお手軽価格のお酒も「世界レベルでの最高品質を造る蔵」が造った酒の一つですから、価格はお手頃なのに「日常」のレベルがやたらと高いのです。私も学生時代に相当お世話になりました。)

そんな中で今回お届けの「會津ほまれ無濾過純米生原酒」ですが

福島県内でも普通のお店では、まず見かけません。希少なものです。なにしろ、私も今回初めての出逢いだったりします。もう、飲む前からワクワクですよ!

さて、それではさっそく開けてみましょう。「醸造元直詰厳封之証」。新酒のこういうラベルを剥がすときはいつも、少し心が躍りますね。
封を開けると、瓶の中につめこまれた香りがふわり・・と抜けてきます。梨の香りをキンと冷やして閉じ込めたかのようなうっすらとした吟醸香と、酵母のフレッシュさが混じり合った香り

そうそう。これこれ!

もう、この香りの後に待っている心地良い陶酔が確信できるからこそ、期待がどんどん高まります。

お猪口を近づけて一口含むと、その瞬間につぼみから一気に花が開いていくかのようで。それはたとえるならば、冬の雪に白く小さく凛と咲いた一輪の百合。咲き誇る花の微香が風にのって仄かに届いたかのような、さらりとした僅かな甘さ。慎ましいながらも上品な存在感を感じます。雪の中に百合など、本来咲くはずもないのにね。
口の中で花開いた香りに続いて来るのは、雪解け水がじんわりと沁みてくるような原酒のしっかりとした深い味わいと、生酒ならではの心地よいおだやかな酸味。
ほっこりとした安心感のような旨味が口いっぱいに広がりきった後に、ひとひらの雪のような残り香だけを置いてふわりと夢のように消えていきます。

夢心地の名残が惜しく、忘れがたく、ついついもう一杯をちびり。ちびり。

ちびりのつもりが、ぐびり、ぐびり。

本来、生酒は一般的には一口目にフレッシュさを感じる反面、香りや酵母の味わいが濃厚で、普通のお酒よりも次の一杯がだんだん進みにくくなりがちなのです。

なのに先月に引き続き、ぐびり、ぐびり。

ヤバい。これはまた、どうにも止まらない。

エレガントなのに、クセになる。あまりにも見事な完成度。この味わいが福島県内でさえもほとんど知られず、ごく僅かな人達だけで消費されつくして広く知られないのは惜しい!なにせ、世界一のチャンピオン・サケを醸した酒蔵の新酒。とっておきの一本です。(今回手に入れちゃったfukunomo参加者の方。前回の曙酒造さんの「大俵引き」といい、この酒といい、飲めたのは幸せですよぅ??(笑))

・今月のマリアージュ/ペアリングセットは

さて。今回のマリアージュ・ペアリング。

メインを飾るのは、いわき市産「浜風仕立て めひかり開き干し」

めひかり、と聞いて判る人は、結構な福島通かも知れませんね。正式には「マルアオメエソ」といいます。特にいわき市や相馬市など福島県浜通りを中心とした地域ではかなり食べられていて、いわき市では「市の魚」にも制定されています。

めひかりはシシャモのような小ぶりの白身魚で、海の少し深いところにいます。(水深100300メートルほど)
脂のりが非常に強く、身はふっくらで皮もやわらかい。一度食べたら忘れられないほど美味しいお魚です。旬は旨味が特に強くなる冬で、今がまさに旬まっ盛り!

この魚。他県でも食べない訳ではないようなのですが、こちらは「アオメエソ」が多いらしく。千葉県以北~青森県沖は「マルアオメエソ」らしいです。どちらも通称「めひかり」ですが、微妙に違う魚らしいのです。(ぱっと見全然わからないのですけどね)

ただ福島県水産試験所で調査したところ、福島県産のめひかりは他地域産の同サイズのメヒカリと比べて、特に脂がのっていることが確認されているのです。福島県沖は暖流と寒流が交わり世界三大漁場と言われるほど豊かな海。この地域で水揚げされた「常磐もの」と呼ばれる海産物ブランドは料亭でも愛用されてきた、高級品の代名詞だったりもします。

そんなめひかりですが、身が小ぶりであるためにシシャモ同様丸焼きにしたり、ワカサギのように唐揚げや天ぷらにしたりで食べるのが一般的です。

ところがですね。

めひかりの中ではときどき、普通より少しだけ大きめな個体。なかなかいないのですが、ごく僅かに、そういう希少な個体がいるのです。
ただでさえ脂が乗りまくったメヒカリの中でも、大きめサイズのものは特にスゴイ。はちきれんばかりの旨味の塊なのです。

もう、お気づきになられましたでしょうか。「開きにして干せるほどに大きいめひかり」が、どういう意味を持っているのか。そして、お手元のソレが一体何であろうかを!しかも、めひかりは開きにすると、丸魚とはまた違う魚のような味わいも引き出されるのです。世の中には、この旨さを知らない人の方が圧倒的に多い。実に貴重な逸品です。

これ、できればグリルよりもフライパンで焼くのがおすすめですね。説明書通りに焼いていくと、香ばしい香りと共にまるで高級霜降り黒毛和牛を思わせるほどに脂が染み出てきます。淡泊なはずの白身魚で、この旨味。もはや、「ジューシー」と呼ぶほどの魚です。それなのに旨味に重さも感じにくく、するすると食べられてしまいます。

・これを會津ほまれさんとペアリングさせると

めひかりの旨味とお酒の旨味とが口の中で心地良く反響しあって、大幅に増幅

白身魚のめひかりはお酒の淡い香りを打ち消さず、むしろ香りを引き込んで、ちょっぴり香ばしい酒粕漬け焼のような絶妙な味わいを醸し出します。

つづいては、みそ漬処香の蔵さん。南相馬市で有名なみそ漬けの名店ですね。こちらの「蔵醍醐クリームチーズの仙臺みそ漬」を今回合わせています。

めひかりの余韻が残るままにこちらも口に含むと、今度は酒粕漬け焼きから味噌漬け焼きの魚のように変化。さらには、クリームチーズの濃厚さがかなりのインパクトで広がります。

今回のお酒、「會津ほまれ無濾過純米生原酒」のエレガントに織り成された多様な香りと味わいは、上等なワインにも似ています。もちろん、チーズとの相性もバッチリ。

ですが、そこに敢えて味噌をさらに合わせたことで、和との相性が強化。日本酒とのより強い架け橋になっています。

さらに続くのは、伊達市からの「種まきうさぎのあんぽ柿」。あんぽ柿は福島の名物である伝統的な干し柿ですが、今回お届けのこちらは、その中でも特に濃厚でしっとり。上品な甘さが楽しめます。

柿を、お酒のツマミに??と思いつつも口に含むと

これはまるで、ワインに合わせるものとして定番のドライフィグ(干しイチジク)。
ドライフルーツ仕立てイチジクの和風版!

しかも、あんぽ柿はドライフィグよりもしっとりとしたセミドライになっているので全体のジューシーさも損なわれず、味わいの調和が非常に取りやすくなっています。

これは、なんて素晴らしい発想!福島の特産品あんぽ柿の自身の可能性を広げていますし、まさにfukunomoならではの「発見」の楽しみの醍醐味ですね。

これはそのままワインに応用させても世界に発信できるのではないでしょうか。(もちろん、日本酒そのものも同時に発信しながらですけどね)

海外では柿の実はそれほどポピュラーな果物ではありません。ましてや、あんぽ柿のようにその魅力をここまで引き出せる食べ物となれば、なおさら。もう、伸びしろだらけです!こういうの本当にワクワクしますね。

最後は、喜多方市江川米菓店「会津喜多方 たまり煎餅」。喜多方土産の定番として人気のおせんべい。酒蔵の地元名物でもあります。今回はなんと、fukunomo限定の6種セット品!

大きく軽やかな味わいのおせんべいは、どんなものにも合わせやすい万能アイテム。それはまるで、ワインに合わせるクラッカーのようで

そう。まさにクラッカーです。これは和風のライスクラッカー。ここに先ほどのクリームチーズのみそ漬けを乗せたり、あんぽ柿を乗せたり。また、あんぽ柿にクリームチーズを挟んでみたり

今回のおつまみセットは、それぞれをお酒と単体ごとに合わせるだけのペアリングだけでなく、おつまみ同士を掛け合わせてのマリアージュも楽しめるようなセットになっていたのです!すごいね。

今月も、実に楽しませて頂きましたfukunomo。自分で買うだけでは中々見つけられない魅力の発見にもつながります。来月もまた、とっておきのお酒が送られてくるとのこと。楽しみですね♪

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