「東北に酒あり」安心感と温もりを磐梯町からお届けします 「榮川初しぼり純米吟醸生原酒」~fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り(2018年2月号|榮川酒造) - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

「東北に酒あり」安心感と温もりを磐梯町からお届けします 「榮川初しぼり純米吟醸生原酒」~fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り(2018年2月号|榮川酒造)

【fukunomoからのお知らせ】

3月21日(水・祝)に、仁井田本家さんにてチームふくしまプライド。×fukunomoのコラボイベント、
「『日本の田んぼを守る酒蔵』で楽しむ 美酒と美肴のマリアージュ BBQ」
を開催します!
2016年6月号に登場していただいた仁井田本家から、代表の仁井田穏彦さん、
編集部から「リサの部屋」の松岡、
毎月、fukunomoレビューコラムを書いていただいている林さんも登場予定!
詳細はバナーをクリック!みなさまのご参加をお待ちしています♪

それでは、2月号のコラム、どうぞご覧ください!
※写真はfukunomo編集部撮影のものとなります。

【連載第4回目】

『東北に、酒あり。』
そんなキャッチコピーで昔から福島では有名な、磐梯町の榮川(えいせん)酒造が今回、満を持して登場です!

いやー、いいですね。榮川酒造。福島県内きっての大手酒造の一つであり、会津を代表するブランドのひとつ。日本名門酒会企画の、節分である立春の未明に絞る「立春朝搾り」なども手がける名門です。
ちなみにアメリカの大手航空会社・デルタ航空の機内サービス提供用に日本全国の中から選ばれた日本酒も、この榮川酒造のお酒であったりもするのです。
個人的な話で恐縮なのですが、私にとっては榮川酒造さんの一般的なお酒が全てのお酒の礎というか、さまざまなお酒を比較するときの基準となる物差しのようなものになっています。
子供の頃からTVのコマーシャルを見ていたので親近感があったことや、県内では手に入り易く私がまだ若くお酒を覚えたてだった頃から飲み続けていたこともあるのですが…やはり一番の理由は、榮川さんの一般的なお酒の特徴ですね。辛すぎず、甘すぎず、重すぎず、軽くもない。物差しとするのに最適だったのでした。
こう書くと、なんだか無個性であんまり美味しくないのでは…?と思うかもしれませんが、それは断じて違うのです。
たとえばですね。正直なところ、お酒に限らずあらゆる作品はただの「粗」や「難点」を「個性」と言い換えることだって実は簡単だったりするのですよ。アバタもエクボというやつです。
…もうおわかりですね?つまりここのお酒、「粗」が無いのです。美味しいお酒に必要とされるさまざまな要素をキッチリとおさえながら、それが洗練され、最適なバランスで調和しているのです。たとえ狙っても、こんなの簡単にできる芸当ではありません。
その結果出来上がっているのが、あらゆるシーンを担えるほどのオールマイティな味わいと、懐の広さ。大吟醸の溜息が出るほど完璧な「美しさ」はもちろん、普通酒にさえうっすらと漂う「香気」というべき気高く淡く、やわらかな芳香が漂うお酒です。
冷やで良し、燗で良し、常温でも良し。味わいに感じる、良い意味での圧倒的な安心感は、まるで気心知れた大好きな人とささやかに過ごすときのような、そんな寛ぎと温もりを思わせるのです。
これぞまさに、世界に誇る福島の酒、会津の酒を代表するスタンダードだと私は思っています。
まあつまりですね。この酒造の酒が、その魅力が、若き日の私をこの日本酒の世界の深みへとどんどん引き込んで(突き落として?)、今があるのですよ。なんてワルいお酒なんでしょう。(笑)

・今月のお酒 「榮川初しぼり純米吟醸生原酒」

…というわけで、今回お送りするお酒は、「榮川初しぼり純米吟醸生原酒」。年明けから続いてきた搾りたて新酒シリーズ(?)の大トリを飾る逸品です!

栓を開けると、新酒特有のフレッシュな香りがほんのりと爽やかに、磐梯高原の微風のように綺麗に流れていきます。続いて口に含むと溢れ出る、絞りたてのライム果実からほとばしるかのような爽やかな、清々しさ。
香りの次におしよせてくるのは、まるで猪苗代湖を吹き抜けた風が湖面に起こすさざ波を思わせる、じっくりとした優しい旨味。
一口目に吹き抜けたやや強めの酸味もじんわりと残るものの、これが全然とげとげしくない。後からくる旨味と酸味とが溶け合った、実に見事なまろやかさなのです。
一般的に酸味が先立つお酒は、ついつい尖った味わいばかりが先走りやすい傾向があります。それなのにこのお酒は、終始心地良い酸味を感じさせつつ、あくまでも穏やかで優しい。
使用されている酒米である会津産「美山錦」らしさを感じる雪解け水のような清廉さ。そして、透明感あるその味わいの中にごく僅かに感じるビターテイストとコク味。これがお酒の味わいに奥行きと輪郭を与え、実に心地良いのです。
まさに会津磐梯山とその麓の磐梯高原の優しげかつ雄大な風景を体現させたかのようです。なにこれ旨い。や、本当に旨い。尊い。
さて、ここでいよいよ今月のおつまみを合わせてみましょう♪

・今月のマリアージュ/ペアリングセットは

まずは浜通りのいわき市より、大川魚店さんが手がけた銀鮭の味噌漬。お魚にはバッチリ目が肥えている浜っ子に愛され続ける地元の魚屋さんが提供する一品です。脂がのった銀鮭を会津産の味噌に漬け込んだもので、生姜が隠し味なんだとか。

香ばしい香り立つ焼き上がりの身をほぐすと、もう、あつあつの、ふわっふわ。本当に、ふわっっふぁ。ふぁぁぁぁぁなにこれすごーーい!おいしーーーーい!やーーわーーらーーかーーーーーー!という感じです。(美味しさの刺激が強くて若干思考力と言語能力が低下気味です(笑))
上等な鮭の切り身に、会津味噌のほっこりする旨味が絡み合って、大変美味しい一品でした。
続いてはアンコウの肝和え。茨城県から福島県へと連なる常磐沖はアンコウの名産地で、冬場の贅沢な風物詩になっています。つまりこの辺りでは、アンコウを美味しく食べる食文化も地域ごとに非常に発達しているのです♪
中でもアンコウの肝和えは、福島県浜通り地方北部の相馬近辺で良く食べられています。わざわざ別々に炊いたあんこうの身、皮、肝などを味噌や切り干し大根と合わせた郷土料理ですね。高級食材アンコウを使った上に手間がかかる、とっても贅沢な一品。

ところで、このアン肝。別名なんというかご存じですか?
…なんと、「海のフォアグラ」。世界三大珍味と言われる、あの高級食材です!実際これ、濃厚な旨味たっぷりで本当にフォアグラに近いところもあるのです。フォアグラですよ、フォアグラ。つまりこれ、感覚的には「白身魚の旨口味噌絡めフォアグラソース仕立て」とも言えるような味わい。しかも使用している原料は、品質の高さで料亭などでも喜ばれる「常磐もの」、福島県のアンコウを使ったものです!
これをお酒と絡み合わせると、味噌とアン肝とお酒とがそれぞれに奏でる旋律が多重奏となってお口の中でとろけあっていきます。もう、さっきの銀鮭のふっくら、ふわっふわの後に、旨味のとろっとろが立て続けにきて、まさに至福…!です。
すいません、これ、実際に食べてない人にだんだん申し訳なくなってきたね…。

次に、箸休めにもなるフレッシュピクルス&ジュレ。会津産の大根やにんじんなど地物野菜を、米酢と白ワインをブレンドした特製のジュレに漬け込んだ一品。今回の榮川酒造と同じ耶麻郡磐梯町にある、ばんだいファームさんの商品です。
使われている野菜もさることながら、特製ジュレが、なんとも言えず美味。
お酒の酸味を引き立てる、強めの酸味。お酒の香りと旨味にはジュレに使われる白ワインの上品な香りや旨味がとってもマッチしてきます。ふわとろの旨味の後を、さわやかにフォローしてくれるのです。

最後は、「大粒会津産みそがらめうまピー」。
ただのピーナッツ?いえいえ。会津の大地が育んだ、超大粒でしっかりとした歯ごたえと旨味のあるピーナッツは、食べ応え抜群。素材そのものの味が噛みしめられる上に、これまた絡んだ味噌がクセになる一品です。
さて今回のお酒のおつまみを見渡してみると、旨口の味噌味仕立てが目立ちますね。全体的に優しく包み込むような味わいの取り合わせです。
なにせ、まだまだお外は寒いのです。(あれ?それは東北とか北陸、北海道だけかな??)
そんな中で、心までをもほっこりと暖めてくれるような…。そんな今回のおつまみ取り合わせには、実はもう一つだけ試して頂きたいものがあったりします。
それは何を隠そう…今月号のfukunomoのコースをお楽しみの方には、もうそのお手元の中に。
今回のコースにおまけとしてついてきた「榮川特醸酒 エイセンカップ」なのです。「吟醸」「本醸造」などの特定名称が付かない、いわゆる普通酒です。

普通酒?なんでわざわざワンカップを…?と思われるかも知れませんが、普通酒には普通酒の良さもあるのです。特にこの榮川酒造ならば、なおさら。
冒頭にもお話したように、この榮川酒造が造り出すお酒は「粗」が無く、やさしさを感じさせる味わい。特に昔から多くの人に飲まれ、愛され続けてきた普通酒には、そうした要素が溢れています。
お米は削れば削るほどクリアな味になります。価格も当然跳ね上がります。最近はそういうお酒も流行りではあるのですが…。
反面、普通酒は米をあまり削らない分、お米本来の美味しさそのもののような旨味のもとが詰まっています。
しかし同時に、ともすれば雑味が出て飲みにくくなりやすいお酒にもなりがち。
蔵元の手腕が問われるお酒でもあるのです。
そんな「ごまかしようがない」普通酒で、ほとんど雑味を感じさせない強い旨口のお酒としてキッチリ醸してしまう榮川酒造が受け継いでいたその「技」とこだわりを、是非感じて頂きたいところでもあります。それに、そもそも県内ではおなじみのワンカップも、県外ではなかなか買えませんからねー。
さて、このお酒はそのままでも美味しいのですが、せっかくなので少しだけ温めてみましょう。燗酒にして合わせることで、今回のふっくら、ほっこりのおつまみが持っている温もりを、より深く感じやすくなります。
これを先ほどの、あったかくて、ふわっっふぁで、旨味たーーーっぷりの鮭と、こちらも旨味の塊のようなとろっとろのアン肝なんかと合わせるとお口の中の燗酒にじゅわじゅわじゅわぁ……っとその旨味が染みこむように溶け出してきてジューシーになって…
ふわぁぁぁぁぁ!なにこれすごーい!おいしーーーい!あったかーーい!じゅーしーーー!!やーーーわーーーらーーーかーーーーーー!!(2回目)
となること、うけあいです。はい、取り乱してすいませんでした。とても幸せを感じられる味わいなのでした♪

・次回のお酒は

さて、来週のfukunomoは、浜通りへ。いわきで170年にわたって愛され続ける四家酒造店から、「又兵衛(またべえ)」の登場です。
かつて「釣りバカ日誌」のロケでいわき市を訪れた故・三國連太郎氏が惚れ込んだという酒蔵のお酒です。来月も引き続き、fukunomoをお楽しみくださいね♪

<fukunomo お申し込みのご案内>

今回もご紹介させて頂きましたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?

今なら、fukunomoスタンダードコース、またはプレミアムコースお申し込み時にこの記事を読んだとご連絡頂ければ、それぞれのコース別に特別なおまけも付いてきます♪

詳しくは、こちらからお問い合わせ下さい。お待ちしています。^^

fukunomo2018年2月号のお申込みはこちらから。
(お申込みは2018年3月20日まで。それ以降のお申し込みは、2018年4月号からの発送となります)