穏 純米吟醸 - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

穏 純米吟醸

lisa1606

皆様こんばんは。fukunomoの松岡です。今回皆様にお届けいたしましたお酒は、今年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞された仁井田本家様から「穏 純米吟醸」です。

 わたしがお酒を選ぶ基準はまず第一においしく、その上でお届けする時期に合ったものを独断と偏見で選んでおりますが、今回fukunomoメンバーにこのお酒を進言した時の理由欄には「ラベルがカエルだからです」と書いてあります。小学生か。

 でも、もちろんふざけてこのお酒を選んだわけではありません。それはご自分の名前を冠したお酒にカエルのラベルを配した仁井田穏彦氏も同じです。このカエルはただのカエルではありません。お腹の大きなカエルがのんびり暮らせる田んぼ―つまり、原料米の全量を自社田・契約栽培で賄っているという事実と覚悟の象徴です。

 私は有機や自然栽培米という言葉に、元々はあまり良いイメージを持っていませんでした。そういった方法でお米を栽培するのはとても大変なことで、病気や雑草、害虫の影響を受けずに無事に収穫するだけで一苦労。ましてやそこに加えておいしいお米を作るだなんてかなりの困難です。お酒は美味しいのが第一、栽培方法で味に悪影響が出るなら困ります。

 更に不安なのは蔵の“自然派”へのこだわりです。乳酸添加を避け自然なお酒の醸し方を実践するために白麹※仕込みにするという念の入れよう。白麹のお酒には素晴らしい物がありますが、まだ新しい試みであることは確かです。「そんなに自然派で大丈夫なの……」と、ついよぎる心配。

 それでもそんな不安はなんのその、「穏」の味の力強さと言ったら! 口に含んだ瞬間に感じる香りとキレのバランス、まるで舌から目が覚めるようです。世の中には有機であることがその価値の多くを占めているようなものもありますが、これは違う。お酒として純粋に美味しいです。そして確かに、自然派の造りによって生み出された独特の個性があります。

 言うまでもありませんが、お米はお酒の主要な原材料です。その全量を緻密に管理し納得いく品質のお米を栽培しておられるのですから、そのお米の味をしっかり引き出して造られたお酒の味が優れているのは考えてみると当然です。また白麹もその特徴が十分に生かされ、キリッとした味わいが楽しめます。さすが、40年も前から自然栽培を手掛けている蔵は技術と覚悟が違います。

 どこかメロンのような香りが蒸し暑い季節に向いたお酒です。夏バテ防止にはスタミナのある食品がいいですが、このお酒はウオッシュ効果が強いので「和食らしくない」味の濃いお料理にも向いています。ぜひガッツリしたお肉やスパイシーなお料理とも合わせてみてください。
 では、楽しい日本酒ライフを!

【飲み方のポイント】
冷たく冷やしてお召し上がりください。味が濃い目なので、ロックや炭酸割りでもおいしく頂けます。屋外でのBBQなどのお供にもぴったりです。