fukunomo Vol.1 「大七酒造」

新着情報 | | 2016年2月15日

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珠玉の味わいを求めて、「生酛造り」の真骨頂へ

福島県・二本松市で250年以上もの歴史を持つ大七酒造は、
昔ながらの「生酛造り」を今に伝える一方、時代のニーズにあわせた酒造りで、常に第一線を走り続ける“伝統と革新”の蔵元です。
この度、fukunomoの記念すべき第1弾銘柄に大七酒造の「雪しぼり・本醸造生原酒」が決定したことを受け、太田英晴(おおたひではる)社長に大七酒造のお酒の魅力やこだわりについてお話をお伺いしてきました。

 

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ーーまずは、『第一回ふくしま産業賞』知事賞(福島県内の優れた企業や経営者、ものづくりに与えられる賞。知事賞は最高賞)の受賞、おめでとうございます。

 

「ありがとうございます。これまで特定のお酒や技術が賞を獲るケースはありましたが、杜氏(とうじ)だけではなく、社員全員ががんばってきたことがまとめて評価されたようで、しみじみうれしい賞でした。超扁平精米(ちょうへんぺいせいまい)や無酸素充填システムなどの独自の技術や復興支援、地域への貢献、そして環境への配慮など、さまざまなポイントが受賞の決め手になったのでは、と考えています」

 

ーー伝統を守りながらも、日本酒業界にさまざまなイノベーションを起こしている大七酒造の姿勢は素晴らしいと思います。

 

「伝統は後世まで伝える価値のある宝物です。それがたまたま自社にあることは、ありがたいと同時に責任が伴います。たとえば、長い年月の間にはさまざまな流行がありますし、中には売れる商品と自社の商品が違うということにも遭遇します。だからといってそれを捨て去って流行に乗るのは、伝統を委ねられた者にとってあってはならないこと。大切なのは自分たちの目指す酒質をブレずに持ち続けることです。祖父は日頃から「生酛造りはやめるな」と話していました。それは力強くて洗練されたお酒、濃醇でありながら雑味のないきれいなお酒という、大七が理想とするお酒造りために必要なことだから。新しい技術を取り入れたり、現代に合わせて再解釈しながら生酛造りを追求すること、それが我々の役目だと思っています」

 

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ーー瓶のデザインや打ち出し方など、大七酒造のお酒にはどこか“洋”の目線も感じられますね。

 

「比較的早くから海外市場を意識していたからかもしれません。外国に持っていったときに、ほかのお酒と比べて見劣りしないよう、気を配っているところです。私が初めて海外に行ったのはおよそ20年前。当時、海外では日本酒はまだ無名でした。訪問先は世界的に有名なワイナリーだったのですが、行ってみたら日本酒づくりと器具もほとんど同じ。しかも家族経営で営んでいました。その時、日本酒にも可能性があるのではと感じたのが私の原点です。その後、地酒の輸出グループに参加し、心に積もっていたものを実現する機会を得たころ、海外で和食ブームが起き、日本酒のステイタスも上がっていきました。この20年の間に日本酒を取り巻く環境は天と地ほど変わったのです。外でもまれて外の目から見て、外国の方が日本のどんな美意識を評価するのか、そういう視点を得られたことが、自分たちの商品をよりブラッシュアップすることにも繋がっていると思います」

 

ーー20年でこれだけの変化があったということは、今後、大七酒造ではどんなお酒造りの未来を描いていますか?

 

「日本酒はピラミッド型で、ランクの高い方から純米大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造となっていきますよね。あたかも精米歩合の低いお酒が良いお酒であるようにも言われています。でもすべてのお酒が純米大吟醸のようなったらみんなハッピーかというと、そうではないでしょう。本来、純米酒のおいしさと純米大吟醸のおいしさは替えの効かないものなのです。純米酒独特のなめらかさ、複雑な味わいを実現するには、米をしっかりと強い蒸気で蒸すだとか、長く熟成させるといった米を磨く以外の努力が必要なこと。中でも時間は間違いなく付加価値となります。それを実現できるのが、今力を入れている木桶の純米酒。大七では高級純米酒と名づけています。人が手を加えられるところから先は、時間がおいしくしてくれる。自分が作った味わいよりもっともっとおいしいお酒に出会うことができるのです。今は、小さく蒔いた種が大きく育つのを待っている段階。今年仕込んだお酒が数年後市場に出るころ、こういった世界の理解者が増えるような努力していきたいと思っています」

 

ーー最後に、大七酒造の考える福島の日本酒の魅力について教えてください。

 

「何よりも型にはまらないバリエーションの豊かさだと思います。しかしこれも、昔は強みではなくて弱点のように思われていました。“新潟のお酒は淡麗辛口”のように、特徴を一言で言い表せないことで、うまく宣伝できなかったのです。でも今となってみると、特徴が一言で言い表せてしまったら、ひとつふたつお気に入りがあればほかはいらなくなってしまいますよね。福島県の場合は地域によって気象条件も違うし、その中に大勢の作り手がいてそれぞれの個性を活かす酒造りをしています。金賞受賞蔵が多いからといって、決して金太郎飴のようなお酒ばかりではない。それが福島の財産なのです。大七もその中で光る存在でありたいですね」

 

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太田英晴氏PROFILE

1960年、福島県二本松市生まれ。東京大学法学部卒。国税庁醸造試験所で研修後、大七酒造に入社。専務取締役、取締役副社長を経て、’97年8月より第10代目当主。

 

大七酒造とは

1752年創業。代々酒造りを生業とする太田家が歴代当主となり、現在で10代目。古来から伝わる酒造りの伝統技法「生酛造り」を継承し、8代目のころ、昭和天皇即位式の御用酒を拝命したほか、全国清酒品評会で1位を獲得。大七酒造の名を一躍世に知らしめる。その後、2000年、2002年の2度に渡り、生酛造りの純米大吟醸では初の全国新酒鑑評会金賞を受賞。洞爺湖サミットや政府の公式晩餐会でも卓上に並んだほか、オランダ王室の晩餐会でも振る舞われるなど海外での評価も高い。昨年は高野山開創1200年記念酒を奉納。一方で、超扁平精米(玄米の表面の糠のみをムラなく削り取る精米方法)や無酸素充填システム(お酒を外気に触れさせず瓶詰めできる)など、新たな技術開発にも積極的に乗り出している。

大七酒造オフィシャルサイトはこちら

 

「雪しぼり・本醸造生原酒」

大七酒造が唯一新酒として出荷する季節限定酒。
名前は東北の酒造にしんしんと雪が降る中でしぼられたお酒をイメージして名付けられたそう。
酸味あるフレッシュな旨味と、生酛造りならではの濃醇で深いコクがバランスがよく調和し、魚介料理によく合います。10度前後に冷やしてそのままいただくか、氷を入れてオンザロックでも。また、新聞紙等に包んで光を遮断し、冷蔵庫で数ヶ月間冷蔵貯蔵すると、より豊醇さ、甘やかさが増します。

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