人と人との架け橋として 地域と共に歩んだ200年 寿々乃井酒造店《福島県岩瀬郡天栄村》

国際的な食味コンクールで金賞を取り続ける
『天栄米』の生産地としても有名な天栄村。

その中にあり、地元の米と水を使い、
地元の消費量が9割という、
イメージ通りの『地酒』を造られている寿々乃井酒造店さんは、今、時代のニーズに合わせた新しいブランド造りにも精力的に取り組んでいるそうです。

蔵元の鈴木丈介さん、杜氏の永山勇雄さん、

広報の鈴木理奈さんに、

寿々乃井酒造店さんの今までとこれからについて、伺ってきました。

広報 鈴木 理奈さん

結婚を期に、寿々乃井酒造店へ入社。蔵人として酒造りに関わりながら、寿々乃井酒造店の広報活動に中心的に取り組んでいる。

鈴木理奈さん 「記録によると、うちは文化8年(1811年)の創業で、今の鈴木丈介会長が8代目にあたります。創業当初、このあたりは養蚕農家が多くて、そのときの仕事は地域で作られた繭を集めて製糸会社に納めることでした。建物もその頃に作られたので、あまり酒蔵っぽくないでしょう? それが、やがて田んぼを人に貸して、お米が集まるようになり、集まったお米に付加価値をつけて販売しようという流れの中で、酒造りを始めたようです。昭和の最盛期は、1200石(一升瓶換算で12万本程度)程度の石高を製造していましたが、現在は300石程度です。9割以上が、天栄村を中心とした地元の方に向けて販売しており、約8割が普通酒です。地元には「寿々乃井の酒しか呑まない」というファンもたくさんいて、『寿』という字が入っていることもあって、祝い事の席でも使っていただくことが多いんですよ。昔からのファンのために、普通酒の味はずっと変えずにやってきています。酒造りは、以前は外部から南部杜氏に来てもらっていましたが、数年前からは、地元で農家もしている永山勇雄さんにお願いしています。」

永山勇雄さん(杜氏) 「若い時にこの蔵に入って、南部杜氏のそばで酒造りを学んできました。数年前に南部杜氏が引退したのをきっかけに、杜氏を任せてもらっています。私たちのお酒は主に地元産のお米と、裏山の湧き水を使い、天栄村の恵まれた自然を生かした酒造りを大切にしています。自分たちが育てた酒米を使っての酒造りもしています。造っているのは『亀の尾』という品種で、漫画『夏子の酒』に出てきた『龍錦』という品種のモデルにもなった酒米です。癖があって、育てるのも大変なのですが、とても良いお酒ができるんです。」

鈴木理奈さん 「地域に根ざす蔵として、昔からのお客様と味を大切にしていますが、世の中の嗜好も変化している中で、幅広いニーズに応えられるよう、新しいコンセプトの商品も世に出しました。それが『寿月』です。香りは良いのだけど、食事の邪魔にならず、良いアクセントになる、私自身も大好きなお酒です。寿月は、若い人や天栄村の外の人にももっと知って欲しい、品質にも自信のあるお酒です。でも今は、まだまだ存在を知られていません。どんなに良いものを造っても、呑んでもらえないと意味がないので、今後は広報として、伝えることにも力を入れてがんばっていきます。蔵として目指しているのは、人と人との架け橋になること。誰かと楽しい時間を過ごすとき、そっとそばにあるもの。私たちのお酒がそういう存在であれたらといつも願っています。」

 

寿々乃井酒造店
福島県岩瀬郡天栄村牧之内矢中1
TEL.0248-82-2021
https://www.facebook.com/suzunoisyuzouten/

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