愛姫(めごひめ)の里が生んだ新たな酒~fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り(2018年8月号|佐藤酒造)

今月のお酒は「特別純米原酒 三春五万石」

日本三大桜のひとつである『三春滝桜』が象徴的な城下町、
福島県三春町で酒造りを続けている佐藤酒造。
今号では、佐藤酒造が昨年新たに立ち上げた銘柄
『特別純米原酒 三春五万石』を取り上げます。

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@Nonbeekaeru)が、fukunomoを体験しての感想および紹介文を寄稿してくださいました。
今月は三春町にある佐藤酒造が、現代風の酒造りにチャレンジした新銘柄。林さんはどのように味わったでしょうか。レポートをぜひご覧ください!

※写真はfukunomo編集部撮影のものとなります。

【連載第10回目】

こんにちは。今年は毎日、本当に暑いですねー。
そんな暑さで疲れた身体には、ぜひfukunomoの至福のひとときでリラックスを。
今月も、とっておきの一品をお届けします。

今月の酒蔵さんは、福島県の中央部からやや東のあぶくま高原にある三春町から佐藤酒造さんの「三春駒(みはるごま)」。こちらも全国新酒観評会金賞受賞常連の蔵ですね。

同名の民芸品も有名な「三春駒」。
「駒」とは、馬のこと。福島県のあぶくま高原地域は古くから名馬の産地として名高く、多くの軍用馬を生産してきました。
戦後はそうした馬の生産需要は激減したものの、今も馬産地の名残としてあぶくま高原地域には競走馬のトレーニングセンターなども見られます。
また、そうした馬産技術のノウハウや資産を転用して代わりに盛んになったのが畜産業で、福島牛、飯舘牛、先崎牛、石川牛などあぶくま高原地域ではたびたびチャンピオン牛を輩出するほどの、非常に高品質の牛肉が生産されるようになりました。

また、三春といえば、日本三大しだれ桜の一つとしても知られる「三春の滝桜(たきざくら)」のある町です。征夷大将軍坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の子孫であると言われる田村氏の城下町であり、その田村氏の愛姫(めごひめ)が奥州の独眼竜、伊達政宗公の正室として嫁いだことでも知られています。

そんな三春町、佐藤酒造さんから今回お届けするお酒は「特別純米原酒 三春五万石」さん。

はい。これ、基本的に三春町を訪れないと手に入らないレア物ですね。三春駒は何度も飲んだことがありますが、私もこれは初めてのお酒です。さすが、fukunomo。

今月のお酒 特別純米原酒 三春五万石

早速封を開けて一口含むと、あぶくま高原の酒らしさともいうべき、サラリとした口当たりの良さと強めのキレ。口に含むと淡い香りを感じ、その直後、やや強めの酸味が広がってきます。
酸味が広がった後には、もう一度、今度はもう少し穏やかに感じさせる香りや旨味が名残としてじんわりと残る。

しかしこのお酒、口の中に入れている時間が長くなるほど余韻が深まって、途中から味わいの印象がかなり変わりますね。
強めの酸味と喉越しもあって最初は鋭い味わいを感じるのですが、そのまますぐに飲み干さずにゆっくりと味わうと、まるで、口の中で花々が蕾から一斉に花開いていくような感覚を感じます。一つの花というよりは、さまざまな香りが合わさったボタニカル。そこに当初からの酸味も合わさって、香辛料にも似たややスパイシーな味わいも感じます。

もちろん、キンと冷やせば凛としたキレの強さと喉越しの良さが際立ち、それを一気に飲み干す味わいも充分に魅力的ながら。
口の中で少し温められて冷えが柔らかになると共に、本来持っている原酒ならではの強い香りが解き放たれて、味わいもそれに合わせて柔らかく変化していくようで…。一つの酒で、ずいぶん違った表情を楽しむことができますね。

これは、まるで三春の季節の移ろいにも似ているかもしれません。
三春町は、あぶくま高原の山あいの町。冬がやや厳しく長いために花の季節も少し遅く、その分、やっと暖かくなりはじめた頃には、他の地域ではそれぞれ花の時期がずれる梅、桃、桜の三つの花がほぼ同時に、一斉に咲き誇り始めるといいます。その三つの「春」が同時に訪れることからこの土地が「三春(みはる)」と名付けられたとの説もあるそうです。

さらりとして野暮ったくない。しかし軽薄でもない。温度によって表情がかなり変わる
これは、特に食中酒として洋食などへの相性をいろいろ考えて発展させるのも面白いかもしれませんね。

なによりも、暑さでくたびれた身体に、この強めの酸味と後にのこる風味がスパイスのように心地良い。なるほど、これは今の季節、夏野菜を使った料理などとの相性も良さそう。さすがはfukunomo、今回もなかなかのチョイスですねー。
では、今月もおつまみとのペアリングを楽しんでいきましょう♪

今月のマリアージュ/ペアリングセットは

まずは、メインとなる「生ハム切り落とし」。やや厚切りの生ハムは、甘くて柔らかく、食べごたえもしっかり。
お刺身やビールなどでも、新鮮さを感じる「生(なま)」はやっぱり特有の美味しさがありますよね。豚肉や鶏肉を生で食べることは出来ませんが、こうして生ハムに仕立ててあることで生に限りなく近いであろう食感と旨さを安全に美味しく堪能できます。

特に今回の生ハムを製造している泉崎村のノーベルさんは、こだわり抜いて改良を重ねたオリジナルブランド「夢味ポーク」の豚肉が自慢で、その魅力を最大限に引き出すために養豚から販売まで一貫して行っている会社さん。その製品は、本場ドイツの国際コンテストでも金メダルを受賞しているほどにハイレベルです。
「夢味ポーク」はメディアにもしばしば取り上げられていて取引希望の業者は後を絶たないものの、生産量に限りもあることから現状は直売店でしか手に入れることが出来ません。今回同梱された品物は、お酒だけでなくおつまみも入手困難で贅沢な逸品ですね。

この生ハムを今回のお酒と合わせると、ひんやり冷たくて、つるん!とした心地良い口あたりと共にお酒と上等な豚肉の旨味が一緒になってとぅるんとぅるんと流れ込んできて、実に良い気持ち
手持ちの野菜と一緒にサラダにしてあげると葉物野菜のほのかな苦味もプラスされて、どんどん酒も食も進みます。これは、夏の暑さに少しバテ気味の身体へのいたわりが満ちていく感じですねー。本当にありがたい。

続いては、「三春三角油揚げ」。新潟県の栃尾や宮城県の定義山、福井県の竹田、愛媛県松山あげのように、全国には名物となる油揚げがいくつかありますが、その中の一つが三春の油揚げです。
三春は寺社仏閣が多い城下町であったために、精進料理として江戸時代末期にはすでに油揚げを食べる習慣があったんだとか。

この油揚げ、普通に油抜きをして料理に使っても美味しいのはもちろん、こんがりトーストしても美味しいし、なんならそのまま食べてもしっとりとした味わいと素材の旨味を堪能できます
ここにさらにキムチ、お酒が合わさると、ほとばしるようなジューシーさが一気に、口いっぱいに溢れだします!肉を食べている訳ではないのに、じゅわっとした、まるで肉汁を濃縮させたかのような旨味溜まりのプールが口の中に出来上がる感覚。そこにキムチに含まれている酸味とお酒の酸味がさらに注がれてきて混ざり合い、共鳴する感じ。そこにさらに注がれる、油揚げの甘味と風味。これはもう、たまらない!


特に、今回一緒に入っている三春町在住の「石橋淑子さんのキムチ」は地元三春町の他に、周辺の郡山市や田村市の直売所などでも人気の品。本場韓国キムチのような華やかな味わいがありながらも発酵は穏やかめで、日本の食卓にも合わせやすい味わい。深いダシやコク味がたっぷり。私もプライベートで良く購入している一品です。

続いての一品は、二本松市あぐり工房智恵子の里さんの「みそ豆」。

みそを絡ませた豆というとピーナッツのイメージが強いのですが、これはなんと、大豆です。しかし…この、ポリッポリッ…とした食感とみその絡みが、なんとも病み付きに。
食べ応えも結構あるので、1回の晩酌では食べきれないくらい。満足感高めですね-。

最後に控えているのは三春町と同じあぶくま山系石川町の、大野農園さんの和梨」。

大野農園さんは、最近その名が県内外に急激に知られ始めてきたブランドですが、その「大野農園ももジュース」「大野農園りんご&なしジュース」はなんと、JR東日本のあの超豪華なリゾート列車「TRAIN SUITE四季島」の車内提供品として採用されてもいるのです。そのジュースの原料となっている旬の和梨こそが、今回お届けの品そのもの。
「四季島」での味わいと同じ素材が旬で楽しめるなんて、とっても豪華じゃありませんか?

もちろん、季節を感じさせる和梨の爽やかな味わいは、暑さやお酒で火照った身体にバッチリと沁みわたります。健康的かつ美味しい〆としてもピッタリです。

今月も、この時期にふさわしい素敵なペアリングを楽しませて頂きました。ごちそうさまでした!

 

来月は、秋の夜長にうってつけの少し神秘的な気配を感じさせる、寿々乃井酒造店(すずのいしゅぞうてん)の「寿月(じゅげつ)」。私も個人的にかなりお気に入りの、(しかも毎度のことながら)県外どころか県内でもなかなか手に入りにくい、とっておきの一本をお届けの予定です。ぜひ、お楽しみにお待ち下さいねー。

 

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