松崎酒造店『純米酒 石背』

lisa1605

 皆様こんばんは。fukunomo実行委員会の松岡です。今回皆様にお届けしましたお酒は、かの『廣戸川』で数々の賞を総ナメし、一躍日本酒界のスターダムに躍り出た松崎酒造店様から『純米酒 石背』です。

今回のセレクトはわたしの独断と偏見……ではなく、松崎酒造店様から「ぜひ『石背』をお届けしたい」とのご提案を頂いたのがきっかけです。実はこの段階では、わたしはまだ『石背』を飲んだことがなく、そもそも『石背』というお酒があることすら知らなかったのですが、「あの『廣戸川』の蔵元さんがおっしゃるのであれば、間違いないはず。とりあえず飲んでみよう」ということで去る4月、一本お迎えしました。これがわたしと『石背』の初めての出会いであり、そして日本酒というものに関する認識の一部を大きく変える運命の出会いとなりました。

 なぜわたしが今まで『石背』を飲んだことがなかったか? それはこのお酒が福島県内限定出荷品だから。『石背』は市区町村合併でなくなってしまった岩瀬村の古名。せめて名前だけでも残したいという旧岩瀬村の農家の方から依頼を受け、そこで収穫されたお米を使ったお酒が造られることとなりました。ここまでくると、もはや地酒とかいうレベルを超越しています。

 さらに驚きなのはその身に帯びた使命だけではありません。ラベルを見ていただければ分かるのですが、『石背』は100%コシヒカリからできています。コシヒカリは山田錦や五百万石のような酒米ではなく、普通に日々食べるご飯に使われるお米です。こうした飯米と酒米には色々違う点があるのですが、大きな違いは大きさと硬さ。飯米の方が酒米より小さく柔らかいため、削ろうとするとお米が割れてしまう恐れがあるなど、酒米のように加工するのは至難の業なのです。つまり、飯米での酒造りはとても困難だということ。また飯米と酒米では含有するタンパク質の量も違うため、飯米で作ったお酒は雑味が出やすい傾向にあります。美味しくするには酒米とはまた違った細心の注意が必要。松崎さんが「『石背』は造っていてじゃじゃ馬感がすごいですが、その分、絞り終えるとやり切った感があります」とおっしゃられるのも頷けます。

 酒米よりも飯米の方が価格が低いので、最近は原材料の一部あるいは全部に飯米を使う酒蔵さんも増えてきました。しかし値段ではなく味を追求するなら全量酒米を使うのが筋というもの。正直、わたしは今まで飯米のお酒にそこまで期待はありませんでした。でも『石背』を抜栓した瞬間にフワッと立ち上った爽やかな風……なんだこれ!? すみません、今まで飯米酒をナメてました……。 でもこれはきっと誰にでも造れるものではないと思います。

 瓶を開けると周囲にふっと漂う新鮮なリンゴのような香り、口に含むと涼やかな甘みと存在感あるお米の味、そしてもうちょっと味わいたいのに……! ともどかしさすら感じるくらいスッと綺麗に引いてゆく後味、初夏の時期にぴったりな田園風景を思わせるお酒です。どちらかと言えば柔らかな味わいなので、卵や野菜などあっさりめのおつまみを合わせています。夏の気配を感じさせる食卓のお供にどうぞ。

では、楽しい日本酒ライフを!

飲み方のポイント

涼やかな香りと味が特徴のお酒です。冷やして、あるいは常温でお召し上がりください。今回お届けしたおつまみ以外では、ピクルスやマリネ、お寿司などが合います。ワイングラスに入れても楽しめますよ!

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