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まさに「マスター」とでも呼ぶべき職人芸の極みを感じさせる酒(2021年12月|ほまれ酒造)

今月のお酒は「喜多方テロワール EPISODEⅡ

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

2021年12月号は、喜多方市のほまれ酒造さんからお届けする「喜多方テロワール  EPISODEⅡ」です。

【連載第40回目】

すっかり寒くなって12月。福島ではところによって、早くも雪景色が見られるようになりました。
そんな厳しい寒さの中でも、美味しい福島の食と酒を持ち寄って暖を取れば、きっと心も身体もあったまること請け合い。冬ならではの楽しみ方を満喫したいところですね。

さて、今回のお酒を醸すのは、喜多方市の「ほまれ酒造」さん。創業100年を越える老舗酒造であり、めがねが似合うフリーアナウンサー、唐橋ユミさんのご実家でもあります。

なお私事ながら。ほまれ酒造さんは、磐梯町の榮川酒造さん、会津若松市の末廣酒造さん、花春酒造さんと並んで、私が日本酒を飲み始めた若い頃から散々愛飲してお世話になり、(一方的に)偏愛する酒蔵の一つでもあります。
あれから私は全国各地の様々な酒を飲み、ときに評論の機会を頂くこともある身となりました。しかし、今でもこれらの酒造のお酒で培い覚えた味わいこそが、あらゆる日本酒を飲み比べる際に、それぞれの個性や魅力を発見するためのモノサシ、オリジンのような存在になっています。

ほまれ酒造さんは昔から沢山の人に愛されてきた福島きっての大手酒蔵である一方、その実力も確かなもの。全国新酒観評会では金賞受賞の常連蔵である他、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)という世界的なコンクールでは、なんと世界一となる称号「チャンピオン・サケ」を獲得した実績まであります。
確かな技術で、日常を彩る普段使いのお酒から世界を驚かせる最高品質の酒まで手掛ける、福島の酒を語る上で欠かせない蔵元の一つと言えるでしょう。

■今月の美酒

喜多方テロワール EPISODEⅡ<福島県喜多方市|ほまれ酒造>

それでは、早速今月もお酒を頂いていきましょう。
今回のお酒は、喜多方テロワール EPISODEⅡほまれ酒造さんが手がけている「喜多方テロワール」とは、フランス語で「土地」を意味する「terre」から派生した土地の個性を生かした味わいを押し出す言葉から来ており、喜多方の米、水、気候、文化、そして技術が詰まった、まさに「喜多方を味わい尽くす」ブランドなんだとか。今回の喜多方テロワール EPISODEⅡは、先んじて発売されていた喜多方テロワール EPISODEⅠに続いて二作目となる、最新作のお酒です。
福島県民でもまだ飲んだことが無い人が多い新作を、こうしていち早く楽しめるのはfukunomoならではの魅力ですね! 実は、私も今回が初めてのお酒です。

まず飲んでみると、かなり強いキレと微炭酸の口当たりが印象的。これは、従来の会津ほまれらしさとは別の表情と言えるもので、新しいブランドならではの可能性を強く感じさせます。

しかしこの酒、当然ながらキレの強さだけでは終わらせない。一口目から後味まで一貫して穏やかに続く、控え目な酵母の香り。そして、精米を敢えて抑え目にすることで残された米由来のじんわりとした上品な旨味。
この趣は、かなりドライなスパークリングワイン、とりわけスペインのカヴァを飲んだときの感覚にも近いところがあります。もちろんスパークリングワインほどの炭酸感は無くとも、これならば、たとえばチーズやオリーブオイルをたっぷり使った料理、あるいはジビエなどその土地ならではの強い味の滋味を活かした料理と合わせることも出来ることでしょう。
合わせる酒器は、できれば白ワイン向けのワイングラス、あるいはフルートシャンパングラスに少量、和の場合は底が浅めの盃に注いでみると、その魅力がより判りやすく花開くかも知れません。

この酒の設計は、酒米として使われている福島県オリジナル品種「夢の香」、そして「うつくしま夢酵母」が醸す特性をそれぞれ知り尽くした上で、非常に上手に生かされているように感じられます。全体の調和を整えつつ、特に中盤から後半にかけての味わいに豊かな広がりを持たせる仕上がりになっていると言えるでしょう。

流石は、「喜多方テロワール」の銘を背負ったブランド。まさに「マスター」とでも呼ぶべき職人芸の極みを感じさせる、素晴らしい1本です。今回もペアリングが楽しみになる酒ですね!

今月のマリアージュ/ペアリングセットは


クアトロフォルマッジ
荒びきウインナー

最初のペアリングは、白河市のステラフーズさんからクアトロフォルマッジと田村市のハム工房都路から荒びきウインナー。たっぷりチーズのピザとウインナーという王道の組み合わせは絶対美味しいこと間違いなし!焼き上げているうちにテンションが上がってきます。

まず、このお酒の微炭酸とドライな口当たりがチーズの濃厚な味わいにベストマッチ。特に、クアトロフォルマッジ含まれるゴルゴンゾーラの風味がお酒の酵母の残り香とピッタリ共鳴した、ますます豊かな味わいと風味を楽しむことができます。
そこに合わせて味わって頂きたいのは、ハム工房都路の荒びきウインナー。フライパンに少し水を入れて蒸発するまで充分に茹でた後、弱火でじわじわと炙ってウインナーから油が沁み出てテカテカに、プリップリになるよう丁寧に焼くのがおすすめ。口にした瞬間、赤身肉の旨味と肉汁が溢れ出てきます!
改めて驚かされるのが、こうしたソーセージ、そしてピザのコラボで生み出される凄まじい旨味の塊を、ちゃんとペアリングとして完成させてくれるこの酒の実力。これらが口の中でより混じり合い、旨味はより瑞々しくジューシーに、しかもそのドライな口当たりが後味を心地よくリセットしてくれるので食べ飽きない。

なるほど。この酒のポテンシャルは今回のペアリングの他、やはり一度は癖が強いジビエ料理とのペアリングなどにも実際に合わせてみたくなります。他にも、子羊やマトン料理との相性も良さそう。料理によっては、エスニックなどとも合わせてみたくなる。色々な可能性が模索できる、素敵なお酒ですね。

・あんぽ柿
・喜多方たまりせんべい

続いては、あんぽ柿喜多方たまりせんべい
あんぽ柿は、大正時代に福島で開発されたセミドライフルーツ。独自の製法で、干し柿を色鮮やかなままに、しっとり、とろーりとしたセミドライ食感に仕立てたものです。
これは、欧米でワインのおつまみとして王道のドライフィグ(干しいちじく)と同じ使い方が出来るおつまみですが、欧米では柿という果物自体があまり知られていません。
ドライフィグ(干しいちじく)の上位互換品として取って替われる程の大きなポテンシャルを持っているのが、この「あんぽ柿」であり、世界がまだ知らない、日本の秘密兵器みたいなものだと私は勝手に思っています。

もう一つの喜多方たまりせんべいは、知る人ぞ知る喜多方の名物お菓子。お土産コーナーでは、大きく焼きあがったおせんべいが所狭しと並んでいます。
中でも、今回の山中煎餅本舗さんは炭火で煎餅の手焼き体験が出来ることで有名なお店です。おせんべいがふっくら膨らむのを眺めながら炭火を楽しく囲むのは、小さな子どもさん連れにもおすすめ。
その口当たりは軽やかで、味付けも素材の風味を活かした素朴なもの。もちろん単体でもお酒のアテにもぴったり。…なのですが、さらに楽しめる使い方が!
これをクラッカーに見立てて、カナッペのように使うと、ペアリングがさらに捗ります。

今回は、あんぽ柿との組み合わせが秀逸。セミドライでしっとり甘く、ジューシーなあんぽ柿の口当たりと旨味がお酒に溶け込むかのような感覚に、せんべいの甘塩っぱさが程よいアクセントになって中々の珍味。
さらに、ここにクリームチーズやブルーチーズを合わせてあげてもいいですね。先ほどのピザを一口かじりながら食べるのもおすすめです。

いか人参

最後は、福島の定番おつまみ「いか人参」。元々は県北の福島市周辺地域を中心としたお正月のハレの料理ですが、今や福島県内全域で身近に楽しまれる料理になっています。それに合わせて福島県内各地のお漬物メーカーさんも、それぞれにいかにんじんを作っていますが、今回は郡山市の小田原屋さんからです。

ペアリングをしてみると、甘塩っぽさとニンジンのシャキシャキ歯ごたえ、イカから滲む旨味が心地よい。先月号の弥右衛門と同様、醤油の風味がお酒の酵母の香りと合わさることで、「発酵の醍醐味」とも言える独特の風味が完成します。
なお、同じ醤油風味をリンクさせるという点で、喜多方のたまりせんべいと一緒に合わせても美味しく食べられます。

今回は、馴染みのほまれ酒造さんが新しく立ち上げた地域ブランド「喜多方テロワール」の魅力が堪能できる回でした。
和洋さまざまな料理から伝統的な郷土食、そして力強い土地の恵みにまで合わせられるポテンシャルを感じる酒が、これから地域にどれだけの魅力を創り出してくれるのか。
それはきっと食材のみならず、未来に向けて沢山の人や文化を繋ぐ魅力的な「ペアリング」を生み出していってくれることでしょうね。

今月も、ご馳走様でした!

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特に今回の再開は、新型コロナウイルスでの影響から立ち直ろうとする福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する一面もありますので、ぜひご利用頂ければ幸いです。

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