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凛々しい若武者が騎馬で駆けるようなお酒~fukunomo愛好家 林さんの今月の酒語り(2020年6月|豊国酒造/石川郡古殿町)

今月のお酒は「純米酒 超」

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@Nonbeekaeru)が、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

2020年6月号は、全国各地多くの人に愛される、石川郡古殿町の豊国酒造さんからお届けする「純米酒 超」です。
※好評でしたfukunomo 2017年5月号の復刻版となります。一部、写真とおつまみの内容が異なります。

 

【連載第22回目】

先月再開されたfukunomo。新しく始まったオンライン飲み会イベントとも合わせて、おかげさまで大好評をいただいているようです! この幸せを一緒に楽しんでくださる方が増えるのは、とっても嬉しいですね( ´∀`)

ご好評のfukunomo復活第2弾は、阿武隈高地南部、古殿町の豊国酒造合資会社さんよりお届けする「純米酒 超」。近年、非常に人気を集めている期待の蔵元ですが、例によって県外ではなかなか手に入らない一本です。今月もぜひ、貴重な地酒をお楽しみくださいね。

 

さてさて。今回のお酒をご紹介する前に。
お酒をより味わい深くするミニ情報として、酒蔵のある古殿町をちょっぴりご紹介しちゃいます。

古殿町は福島県の南東部に位置する、人口5200人近くの山あいの町です。北は宮城県南部から南は茨城県まで連なる里山「阿武隈高地」の南部にあり、「御斉所街道(ごさいしょかいどう)」と呼ばれる東西に走る県道14号線いわき石川線と、阿武隈高地を南北につなぐ国道349号線とが交わる、古くからの交通の要衝でした。

そして、古殿町といえば福島県の重要無形民俗文化財にも指定されている「流鏑馬(やぶさめ)」「笠懸(かさがけ)」。この地に800年以上も前から、現在も続いている神事であり、鎌倉幕府初代将軍である源頼朝公から、ここに領地を与えられたことを記念しはじまったと伝えられています。

全国的にはあまり知られていないかもしれませんが、古殿町には戦国時代に「竹貫(たかぬき)衆」という弓矢の精鋭として恐れられた修験一族がおりました。
現在のいわき市近辺を支配していた岩城家に仕えたこの竹貫衆は、「かもほこ弓(かまぼこ弓)」という、衆人には容易に扱えない極太の大弓を構えて戦い、番(つが)える矢も独特の形状で、尖矢(とがりや)は直線的に射切ることができるよう作られ、狩股(かりまた)「猫潜り(ねこくぐり)」と呼ばれる、猫の頭がくぐれるほど広くわかれた矢じりのものでした。まして、その強弓を扱うのは流鏑馬に笠懸の伝統を持ち、騎馬の扱いにもこなれた修験一族の豪傑たち。

※狩股についてわかりやすいツイート↓

竹貫衆の勇猛さ、そして独特の弓矢の威力は凄まじく、弓兵でありながら鉄砲隊をも凌駕するような戦ぶりで、佐竹家・芦名家・岩代家などの連合軍と、伊達家とが死闘を繰り広げた「人取橋の合戦(ひととりばしのかっせん)」(※現在の福島県本宮市に古戦場跡があります)は、かの伊達政宗公において、生涯で最も手痛い敗戦であったと言われています。

そんな武芸の誉が名高い古殿の竹貫衆ですが、今回お届けする豊国酒造合資会社が立地する土地の名は「古殿町大字竹貫(たかぬき)」。杜氏である矢内氏の一族も、竹貫衆とは非常に縁が深い家系と聞きます。

…なんて小咄をしてみましたが、どうでしょう? 古殿の、竹貫の歴史を知ると、そのお酒がますます楽しみになりませんか?? なーんて。

 

・純米酒 超
口に含むと感じさせるのは、まずはとても品の良い爽やかさ。そして続く、一本芯の通った凛とする雄々しさと、しなやかで力強いコク

これはまるで、凛々しい若武者が騎馬で駆けるイメージ。あるいは、馬上から放たれた強弓の一矢。一颯(いぶき)のような喉ごしが去った後には、わずかに酵母を感じさせるフレッシュな微香と、じわりじわりと沁みる深い余韻が残り、最後には山桜が春風に舞うイメージと共に、美しくも潔く、サラリと吹き抜けていく

あぶくま山系の清廉な水と古殿の地が持つ強い「地力」が掛け合わさったお酒は、含まれている1つひとつの味わい全てから美しい自然の生命力が溢れ出てくるかのよう

しかしながら同時に、それらの個性が非常にバランス良く整えられた美麗なお酒でもある。
いわば「動と静」、矛盾する双方を併せ持つかのような懐の深さを感じさせ、非常に奥行のある複雑で洗練された味わいの仕上りに。これは実にお見事と言う他ありません。
そのまま冷やして飲むのはもちろんのこと、夏場は氷を入れてロックにしてもより爽やかに楽しめ、冬場は燗酒にしても新たな魅力が花開くでしょう。

 

お酒単品でも満足感は高いですが、ここに今度はfukunomoならではのお楽しみ、福島ならではのおつまみとのペアリングを合わせてさらに楽しんでみましょう。

今月のマリアージュ/ペアリングセットは

※写真は2017年5月のものになります。(ブロッコリーはセットに入っていません。)

 

 

・やまと豚 レバーの燻製

2001年に生まれた「やまと豚」は、株式会社フリーデンを代表するブランド豚。
育種改良が常に行われており、日本人の味覚に合わせた肉質へ改善。日本国内だけでの高評価にとどまらず、2015年から4年連続でiTQi(国際味覚審査機構)において三ツ星を獲得しているという品種です。

その「やまと豚」のレバー燻製を手掛けたのは、古殿町から北に向かっての同じ阿武隈高地の中部、田村市都路町にあった「ハム工房都路」。震災後は、田村市船引町に所在を移しています。小さな会社ながら、加工品の技術の高さで知られており、ハムやソーセージの本場ドイツで何度も金賞を受賞しています。田村市にあるメーカー直売所はいつも人気で、沢山のリピーターが買い物に訪れています。

レバーはご存知のように、独特の匂いと味がとりわけ強く、実は合わせるお酒をやや選ぶ食材です。しかも今回、私はこれをオリーブオイルとバルサミコと共に炙って、洋食のさらに強い味わいに仕立てて楽しんでみました。

東豊国「超」の力強い味わいは、こうした食べ方にも負けません。レバーの持ち味を生かしつつ、より高いレベルで味わわせてくれます。今回の東豊国「超」は、爽やかながらも芯の強いその味わいから、和食のみならずさまざまな料理とのペアリングも楽しませてくれること請け合いです。

 

・メイプルサーモン西京漬け

「阿武隈川メープルサーモン」は、以前にもfukunomoで扱ったことがありますが、福島県西郷村の林養魚場(←良い名前ですね!) がカナダのB.C.州カムループス地方原産のニジマスを、日本で初めて発眼卵で空輸し自社の養殖施設において孵化、育成した上で、何代もの選抜育種を繰り返してきたニジマスとの交配を繰り返すなど、品種の改良と養殖方法や餌の追求などによって作り出した大型のトラウトサーモンです。一般的な輸入サーモンよりも身がしまり、生臭さは抑えられ、かつ脂ものった、いわばサーモン界の最高級和牛。独自の交配による品種改良がされているので、この林養魚場(←素敵な名前ですね!)以外では手に入らない最高級品です。

そんなメープルサーモンを京都の西京味噌と合わせることで、単純に両者の旨味と旨味の掛け合わせがされるばかりに留まらず、「和のテイスト」が強化され、サーモンの味わいに、日本酒との合わせの親和性が強く生まれてくるのです。
また、「超」のお酒に感じられる微かな酵母の香りと西京味噌の香りとが絶妙にマッチし、旨味と香りとが口の中で幸せに踊り出します。

 

・さしみこんにゃく からし酢みそ付

アクツコンニャク株式会社は、東豊国とともに古殿で最も良く知られたメーカーの1つであり、こちらも立地は「古殿町大字竹貫」地内。

古殿をはじめとした阿武隈高地のこんにゃくは非常に質の良いことで知られており、アクツのコンニャクは大手スーパーや百貨店でも重宝されている逸品。古殿が誇る酒とこんにゃくの地物を合わせれば、当然相性も抜群です。香りと味わい、のど越し、全てにおいて双方が互いの魅力をより引き出し、晩酌を大変満足させてくれます。特に蒸し暑い夏場には、この合わせは絶品ですね。
今回は味の強いサーモンやレバーも合わせてありますから、箸休めとしても秀逸です。

 

・会津産余蒔きゅうり

ペアリング最後の一品は、福島県会津地方に伝わる在来種の伝統野菜、「余蒔きゅうり」(よまききゅうり)。
収穫量が少ないために一時期ほぼ姿を消してしまっていましたが、平成20年に福島県で試験栽培されて復活。人気を集めはじめている品種です。
福島県は元々、夏場のきゅうりは長年全国一の生産量を誇っていますが、最近はこうした在来種の伝統野菜も注目されています。こういうものが送られてくるのもやはり、fukunomoならではの魅力ですね。(*´▽`*)

このきゅうりは、えぐみが無く歯ざわりがなめらか。非常に食べやすいきゅうりです。一方で香りはしっかりありつつ、ほのかな甘さも感じさせます。しかも油料理とも相性が良いため、ソテーなどでも楽しめて、箸休め的な楽しみ方からサーモンやレバーとのかけあわせまで、幅広く使えるのです。

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なお文末になりますが、今回お届けする「超」を醸す、古殿町が誇る酒蔵「豊国酒造合資会社」のご紹介も改めてしちゃいます。

全国新酒鑑評会での金賞受賞数が、前人未踏の「7年連続日本一」(今年の5月は新型コロナウイルスの影響により金賞の選定が行われませんでしたが、福島のお酒は今年も8年連続日本一がほぼ間違いなかっただろうと言われるほどの成績を叩き出しています)となっている福島の酒ですが、この古殿の豊国酒造はその一角を支える、欠かせない存在になっています。

全国新酒鑑評会では平成19年以降、12年連続で金賞を受賞しているほか、東北のお酒(南部杜氏)の鑑評会でも二大会連続の首席を獲得するなど、輝かしい成績をおさめているのです。

(引用元:豊国酒造合資会社公式サイトhttp://azuma-toyokuni.com/

実は、この豊国酒造合資会社が醸す大吟醸「幻(げん)」※は個人的にも非常に思い入れのあるお酒です。

今から20年近く前、それを初めて飲んだ、当時お酒を覚えたてだった私を、日本酒の美味しさという底なし沼に突き落とした罪深いお酒でもあります。
他県に暮らしていた学生時代には、わざわざ蔵元に手紙を出してまで奮発して通販で取寄せて、その魅力を周囲の友人たちに広く布教しておりました(笑)

日本酒を覚えたての方も、ベテランの方も、ぜひこの「東豊国」の魅力を味わってみてくださいね。

今月も、ごちそうさまでした!( *´艸`)

※大吟醸「幻」は、2020年4月より「東豊国 純米大吟醸」と名称を変更しています。

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約1年ぶりに再会されたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?

特に今回の再開は、新型コロナウイルスでの影響から立ち直ろうとする福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する一面もあります。
今なら、fukunomoスタンダードコース、またはプレミアムコースお申し込み時にクーポンコードに【林智裕】と入力頂ければ、それぞれのコース別に特別なおまけも付いてきます♪

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